さらば友よ (映画)

映画『さらば友よ』の概要

映画『さらば友よ』（Adieu l'ami）は、1968年に公開されたフランスとイタリアの共同制作によるサスペンス作品です。この作品は、著名な映画監督ジャン・エルマンが指揮を取り、主演にはアラン・ドロンとチャールズ・ブロンソンが名を連ねています。また、映画はフランスの小説家セバスチアン・ジャプリゾの同名小説を基にしており、脚本も同氏が手がけています。物語は戦後の二人の男が金庫破りを通じて友情を築いていく様子を描いています。

ストーリーの展開

物語はアルジェリア戦争から復員してきた軍人フランツ・プロップと軍医のバランを中心に進行します。プロップはバランにコンゴへの旅行を提案するも、バランはこれを拒否します。そんなバランの前に現れたのがイザベル・モローという女性です。彼女は失踪した恋人モーツァルトの行方を尋ね、バランの助けを求めます。バランは彼女に惹かれ、知り合いになりますが、彼女の本当の目的は銀行の金庫から債券を戻すことでした。

そして、バランはモーツァルトを殺してしまったことへの罪悪感から、彼女の依頼を受けることを決めます。彼は勤務先の会社の勤務医となり、その助手として取締役の娘で医学生のドミニク・アウステルリッツが任命されます。このようにして物語は進行し、バランとプロップの友情が徐々に築かれていきます。

一方、プロップは偶然バランの不審な行動を目撃し、金庫破りに彼を強引に巻き込むことになります。二人は夜通し金庫のダイヤルを回し続け、その先に待ち受ける真実を知ることになりますが、開けた金庫の中は空っぽであり、その上、二人は金庫室に閉じ込められてしまいます。さらなる窮地に陥った二人は、空腹や空気不足から対立し始めますが、バランの罪悪感を知ることで友情が再び芽生え、彼らは協力して脱出を果たします。

結末とさらなる事件

週明け、金庫破りの事件が発覚し、警察はバランを追い詰めます。しかし、予期せぬ展開としてプロップが彼を守るために自らを犠牲にし、代わりに捕まってしまうことになります。取り調べを受ける中で、プロップは心の中で事件に関与していないと主張し、嘘をつかずに逃れることに成功します。やがて、バランはドミニクの家に押し入り、彼女に匿ってもらうことを頼みます。

しかし、事は予想外の方向へ進んでいきます。ドミニクはイザベルと通じており、彼女は金庫を開けて大金を持ち去ることが計画されていたのです。物語のクライマックスでは、バランが金庫の暗証番号がドミニクのニックネームに関連していることに気づき、二人の裏切りを察知します。最終的に、二人が求めていた真実は、友を失ったことと互いに裏切り合った心の交流となり、彼らの友情は深いドラマを描き出していくのです。

この映画は、サスペンスと人間関係の複雑さを見事に描き出した作品であり、当時の観客に強い印象を残しました。目を離せない展開と深いキャラクター描写が特徴であり、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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