さんじゅーろー

猫城主さんじゅーろー

岡山県高梁市の備中松山城に住む、猫の城主「さんじゅーろー」。その愛くるしい姿は多くの観光客を魅了し、今や城の顔として活躍しています。この記事では、さんじゅーろーの生い立ちから城主になるまでの道のり、そして地域に貢献する姿を詳しく紹介します。

生い立ち

さんじゅーろーは、2018年、平成30年7月豪雨の直後に備中松山城の三の丸付近で保護されたオス猫です。推定3歳であった当時、その場所が備中松山城であったこと、そして新撰組七番組組長の谷三十郎にちなんで「さんじゅーろー」と名付けられました。

実は、その前にもさんじゅーろーは別の名前「なつめ」で、高梁市内の家庭で飼われていました。保護猫団体の譲渡会を通じて迎え入れられたものの、豪雨災害後、7月14日に突然逃げ出し行方不明に。約3ヶ月後、備中松山城で保護され、当初は「ご家老さま」と呼ばれていました。

当初は野良猫として扱われていたものの、その愛らしい姿が来場者の間で評判となり、徐々に人気を集めました。マスメディアにも取り上げられるようになり、元の飼い主にもその存在が伝わりました。飼い主は、さんじゅーろーが城の「猫城主」として活躍していることを知り、城や高梁市のために手放す決意をしました。こうして、さんじゅーろーは正式に高梁市観光協会の飼い猫となり、「猫城主」としての道を歩み始めました。

行方不明騒動

観光協会の飼い猫として迎えられて間もない2018年11月4日、さんじゅーろーは再び姿を消します。翌日の週刊誌取材のため、関係者が自宅に連れ戻した際に逃げてしまったのです。この騒動により、取材は中止となり、観光協会総出で捜索が行われました。11月12日には、首輪に白い札を付けた猫の目撃情報が寄せられ、11月23日、近所の住民からの連絡で無事発見されました。19日間の行方不明騒動は、こうして幕を閉じました。

「猫城主」就任

2018年12月16日、「猫城主さんじゅーろー再入城の儀」が執り行われ、さんじゅーろーは正式に「猫城主」として就任しました。その姿は、多くの人々に感動を与え、地域を盛り上げる存在として認知されるようになりました。

就任後の活躍

現在、さんじゅーろーは城内の本丸にある「五の平櫓」管理事務所に常駐しています。体調に合わせて午前10時と午後2時には、城内を見回り散歩をしています。2020年11月からは、さんじゅーろーをデザインした原付バイク用のナンバープレートも交付され、地域活性化に貢献しています。

また、2020年6月24日には、観光客の回復と高梁市の観光振興に貢献したとして、公益社団法人岡山県観光連盟から表彰されました。

記念日

3月16日は「さんじゅーろーの日」として親しまれています。

出版物での紹介

児童書「備中松山城 猫城主 さんじゅーろー」（西松 宏著、ハート出版）でも、その活躍が紹介されています。

関連商品

さんじゅーろーのグッズも多数販売されています。レジンキーホルダーや木製キーホルダー、ラインスタンプの他、備中松山城の御城印や高梁市ブランド「高梁茶゛」など、地域と連携した商品展開が行われています。

外部リンク

一般社団法人高梁市観光協会
猫城主さんじゅーろー
備中松山城 猫城主 さんじゅーろー (Facebook)
備中松山城 猫城主 さんじゅーろー (X)
さんじゅーろー【公式】(Instagram)
さんじゅーろーを探せ 公式サイト



さんじゅーろーは、その愛らしい姿と数奇な運命で、多くの人々に癒しと笑顔を届けています。これからも備中松山城の顔として、地域を盛り上げていくことでしょう。

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