しあわせ運べるように

「しあわせ運べるように」

「しあわせ運べるように」は、1995年に音楽教諭の臼井真によって作詞・作曲された合唱曲です。この曲は、阪神淡路大震災の後、神戸市の復興を願う思いから生まれました。2021年1月17日には、阪神淡路大震災の発生から26年の節目を機に、神戸市の市歌として正式に指定されました。この楽曲は、希望と絆を大はらし、故郷への思いを込めた力強いメッセージをもっています。

様々なバージョン

「しあわせ運べるように」には、オリジナルの「神戸オリジナルバージョン」に加え、地域に寄り添う様々なバージョンが制作されています。例えば、2011年の東日本大震災の後には、歌詞中の「神戸」を「ふるさと」に置き換えた「ふるさとバージョン」が登場しました。また、「福島しあわせ運べるように合唱団」による「ふくしまバージョン」で福島の名前を使ったにバージョンも創作されています。これらのバージョンは、被害を受けた地域に希望をもたらす歌として広く歌われています。

さらに、英語や中国語、フランス語、アラビア語、トルコ語、カンボジア語など多言語に翻訳され、国内外で歌われる国際的な意味合いを持つ楽曲となっています。特に、神戸市立住吉小学校からは、山古志村に「神戸」を「山古志」に替えたテープが届けられました。これも、地域の支援につながる大きな一歩となりました。

チャリティー活動との関わり

「しあわせ運べるように」は、単なる楽曲ではなく、さまざまなチャリティー活動にも参加しています。2011年に発表されたチャリティーCDブックの印税は、東日本大震災の支援に全額寄付されることが決まりました。このCDは、兵庫県立芸術文化センターのもとで子供たちの手話コーラスの動画が撮影され、その様子は広く視聴されました。この楽曲は朝日放送の「東日本大震災『ABCこども支援募金』」のシンボルソングとしても位置付けられています。

録音に参加した子供たちは、臼井氏の指導のもと、歌声を合わせて力強い合唱を披露しました。さらに、2012年にリリースされた島谷ひとみのカバーシングルでは、被災地と復興の思いを繋ぐ楽曲として歌われ、感動を呼びました。これにより、島谷自身もチャリティー活動に積極的に取り組むようになり、復興支援のために印税が寄付されています。

垣間見る地域の絆

この楽曲は、神戸のみならず、東日本や熊本地震の被災地においても歌われ、多くの人々に希望を与えてきました。例として、熊本地震後には「神戸」を「熊本」に置き換えたバージョンが制作され、歌い継がれています。
「しあわせ運べるように」は、単なるメロディーではなく、困難な時期において人々をつなぐ重要な役割を果たしていることが大きな特徴です。 さまざまな言語や地域に広がるこの楽曲は、困難を共に乗り越えていく際に寄り添うメッセージを今後も持ち続けていくことでしょう。

「しあわせ運べるように」は、私たちに希望や支え合いの意義を再認識させる楽曲として、これからも多くの人々に歌い継がれ続けます。

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