しけい

しけいの遊びについて

「しけい」という名前は、罰ゲームの「死刑」に由来しています。地域によっては、遊び中に発生する「止まれ」といった掛け声がそのまま遊びの名称となっている場所もあります。この遊びは昭和40年代に小学生の間で非常に流行し、時には「こしけ」や「屋根ゴロ」とも呼ばれることがありました。

遊び方

この遊びの参加者は、まずじゃんけんで初めにボールを投げる人を決定します。最初の投球者は、ボールを屋根の上に投げ上げると同時に、「次のオニになりたい者」の名前か番号を宣言します。他の参加者は、ボールが投げられると同時に任意の方向に逃げますが、オニはボールを捕ろうとします。

もしオニがボールを地面に落とさずに直接捕球できた場合、すぐに屋根の上に再びボールを投げて次のオニを宣言できます。しかし、捕球に失敗した場合、オニはボールを掴んだ時点で「止まれ」という言葉を発し、逃げている参加者はその場で動きを止めなければなりません。オニは逃げている参加者にボールを投げ、当たった場合にオニの役割が交代します。この際、逃げている参加者は地面から両足を離さずに回避を試みるか、ボールを捕球することが求められます。

ルールによっては、オニに対して数歩の開始マイルールが認められることがあり、例えば3歩程度の移動が許されていることもあります。新しいオニに決まった参加者にはペナルティが課せられ、これが一定数たまると敗者となり罰ゲームを受けることになります。

地方によってペナルティの称呼が異なり、「いち(1)けい」「に(2)けい」「さん(3)けい」と続いて、4度目に「し(4)けい」となる際に罰ゲームを受けることが、遊びの名称の由来となっています。

罰ゲーム

参加者が規定の回数のペナルティを累積すると、その者には罰ゲームが課されます。この罰ゲームは「しけい」または「磔」とも呼ばれます。敗者は、両手を左右に伸ばして十字架のような姿勢のまま、先程までボールを投げていた屋根の下にある壁に背を向けて張り付くことが求められます。器物破損の懸念から、ガラスの窓などがある場合は別の壁が利用されることもあります。

勝者は、所定の距離から敗者に向けて強くボールを投げ、その罰ゲームが完了します。

駆け引き

プレイヤーとして逃げる側の基本戦略は、できるだけ遠くに逃げることですが、オニがボールを直接捕球することで屋根に投げることに成功するとリカバーが困難になります。そのため、近くの遮蔽物に隠れることが通常の戦術となります。また、オニがボールを直接捕球した場合は、屋根の端を狙って投げることが多く、これによって逃げる側のリカバーを難しくしていきます。

また、場合によっては屋根ではなく高いビルの壁にボールを投げて相手の名前を呼ぶ遊び方もあります。この場合、ボールが隠れにくくなるため戦略は減少しますが、展開がよりダイナミックになることが特徴です。

しけいは、単純ながらも工夫を凝らした遊びであり、子供たちの遊びの中で記憶に残る楽しい思い出となっていることでしょう。

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