じゃじゃ馬ならし (テレビドラマ)

『じゃじゃ馬ならし』の概要

『じゃじゃ馬ならし』は、1993年の7月から9月にかけて、フジテレビの「月9」枠で放送された日本のドラマです。主演には有名俳優の中井貴一と、当時の人気アイドル観月ありさが起用されました。この意外な組み合わせは多くの視聴者の話題となり、平均視聴率は21.8%を記録しました。他にも、当時まだブレイク前であった内田有紀、いしだ壱成、武田真治、本上まなみ、三井ゆりなど、多くの若手俳優が出演しており、脇を固める熟練の演技者として草刈正雄や西村雅彦が悪役を演じました。

制作や演出の特徴

この作品のディレクターである星護は、前作『放課後』からの演出スタイルを引き継ぎ、ガーゴイル像やP's Dinnerの再登場などが特徴です。洋楽ミュージシャンの名前が物語中の様々な固有名詞に用いられることも、星の巧みな演出の一環として多くの人々に印象づけられました。

『じゃじゃ馬ならし』の視聴可能なソフト化はVHSやLD、DVD、Blu-rayなどがまだ実現されておらず、再放送も極めて少ないため、この作品は「幻のドラマ」として位置付けられています。また、主演の中井貴一は観月の主演ドラマ『ヘルプ!』や『私を旅館に連れてって』に度々友情出演しています。

ストーリーの概要

ストーリーの舞台はマーキュリーコーポレーション。主人公の山田隆一郎は社長の北原まゆみと結婚しますが、結婚式の後すぐに交通事故でまゆみを失ってしまいます。葬儀に訪れた隆一郎の前に、まゆみの娘を名乗る北原夏美が現れ、二人は父娘として一緒に暮らすことになりますが、同時に取締役の久保田勝二の策略によって隆一郎は職を失い、豪邸からも追い出されてしまいます。

隆一郎は、夏美の父親代わりとなり、夢見ていたテーマパーク「マーキュリーランド」の建設を目指すものの、全てが上手く進むわけではありません。失業した隆一郎は夏美の学費を稼ぐためにアルバイトを始めますが、匿名の振り込みが入り、夏美の学費の心配が解消されます。最終的に、隆一郎はマーキュリーコーポレーションに戻ることになりますが、久保田が商業開発を進めていることを知り、再び奮闘することになります。

さらに、隆一郎は夏美の実父である伊部真が彼女の学費を支払っていたことを知り、彼が日本に訪れる場面も展開されます。そして隆一郎は、同僚の亮子にプロポーズしようとしますが、夏美がその場面を見てしまい、実父と共にアメリカに行く決心をします。隆一郎はこの決定を阻止するため、空港へ急ぎます。

人間関係の変化

物語が進む中で、隆一郎は友人の喪失から思わぬ感情の変化を迎えることになります。隆一郎への気持ちに気づいた夏美は、彼に告白します。久保田の陰謀により逮捕された隆一郎は、夏美や亮子の助けを借りて無実を証明し、再び社長に返り咲くのですが、隆一郎も自らの気持ちに整理をつけつつ、最終的には夏美との結婚へと至ります。

物語の締めと続編の示唆

最後のエピローグでは、数年後に再び主人公たちに大波乱が起こることが示唆され、視聴者には続編への期待を持たせるクリフハンガー的な演出が施されています。この架空の予告編で巻き起こる新たな騒動は、主人公たちがこれからも波乱に満ちた生活を続けることを暗示しています。

『じゃじゃ馬ならし』は、その独特の演出や多様なキャスト、物語の展開においても日本のドラマとして重要な作品の一つであり、今後も多くのファンの心に残り続けることでしょう。

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