すすめ!ジャンプへっぽこ探検隊!

『すすめ！ジャンプへっぽこ探検隊！』：少年ジャンプの舞台裏を描く人気ルポルタージュ漫画

『すすめ！ジャンプへっぽこ探検隊！』は、漫画家サクライタケシ氏による、週刊少年ジャンプと少年ジャンプ+の舞台裏に迫るルポルタージュ漫画です。2017年2月より少年ジャンプ+で連載が開始され、現在も月1回のペースで更新が続けられています。

作品の概要

この作品は、『ジャンプの正しい作り方！』の続編的な位置づけにあり、少年ジャンプ+で最も長く連載されている作品の一つです（タイトル変更を考慮しなければ）。作者のサクライ氏と担当編集者らが、ジャンプに関わる様々な作家や関係者、イベント、集英社とその関連企業を取材。その様子を、サクライ氏独特のユーモラスなタッチで漫画化しています。

取材対象は多岐に渡り、週刊少年ジャンプ掲載作品（『ONE PIECE|ONE_PIECE』、『ブラッククローバー』、『鬼滅の刃』、『ニセコイ』、『サムライ8 八丸伝』など）だけでなく、少年ジャンプ+掲載作品（『地獄楽』、『左ききのエレン』、『SPY×FAMILY』、『猫田びより』など）にも及んでいます。それぞれの作品について複数話に渡って掘り下げて描かれており、各作品への深い理解と愛情が感じられます。

週刊少年ジャンプにも番外編が掲載されるなど、その人気は高く、2018年には単行本『少年ジャンプに人生賭けてみた』が発売されました。

主要登場人物

主人公は作者のサクライタケシ氏自身。特徴的なのは、おにぎりの顔で描かれる点です。彼の妻はメロンパンの顔で描かれ、取材に同行したりイラストを提供したりと作品を盛り上げています。

さらに、サクライ氏の担当編集者も重要な登場人物として登場します。初代担当編集者のM山氏、2代目担当編集者のI藤氏、3代目担当編集者のU田氏など、各編集者との掛け合いも作品の見どころの一つです。

また、週刊少年ジャンプの編集長（H子氏、N野氏）や少年ジャンプ+の編集長（H野氏）なども登場し、編集部の雰囲気や考え方が垣間見えます。

3話とその後

3話では、矢吹健太朗氏がデザインした週刊少年ジャンプ編集部内の女子トイレのマークが性的だと批判を受け、お詫びページに差し替えられるという出来事が描かれています。このエピソードは、作品にリアリティと緊張感を与えるとともに、漫画制作における様々な問題点も浮き彫りにしています。

作品への評価と影響

『すすめ！ジャンプへっぽこ探検隊！』と『ジャンプの正しい作り方！』は、他の少年ジャンプ+のルポルタージュ漫画にも影響を与え、作者がおにぎりをかぶった姿で登場することが一種の慣例となっています。

集英社は、この作品を「写真や文章だけでは伝えきれないこだわりのポイントを、楽しみながら理解できるストーリー構成」と高く評価しています。2020年時点では、少年ジャンプ+編集長であるH野氏も、サクライ氏の技術向上と取材力の高さを認め、連載継続を明言しています。

40話では、コロナウイルス流行下での取材の様子が描かれています。この回について、『地獄楽』作者の賀来ゆうじ氏は、「非接触状況自体をルポに起こした、後世に残す価値のある漫画」と評しています。

まとめ

『すすめ！ジャンプへっぽこ探検隊！』は、単なる漫画業界の裏側を描いた作品ではなく、漫画制作への情熱、編集者や作家たちの努力、そして漫画文化そのものを深く理解させてくれる作品です。ユーモラスな表現と、緻密な取材に基づいた内容が、多くの読者から支持されている理由でしょう。ジャンプ作品ファンはもちろん、漫画業界に興味がある全ての人におすすめできる一作です。

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