すべての民の御母

すべての民の御母：オランダに現れた聖母マリアのメッセージ

1945年から1959年にかけて、オランダのアムステルダムに住むイーダ・ペアデマンという女性に、聖母マリアが出現したと伝えられています。聖母は自らを「すべての民の御母」と名乗り、ペアデマンは207回もの出現を受けたと言われています。この出現は、ペアデマンが家族や友人らと将来の戦争について話していた際に、光の中から現れた聖母から始まりました。聖母はペアデマンにメッセージを伝え、それをフレイヤ神父が記録しました。

聖母のメッセージ：現代社会への警告と未来予言

最初のメッセージは、共産主義や無神論、現代社会の問題点などに関する警告に満ちていました。黙示録的な表現も用いられ、現代社会の危機を予感させる内容だったと言われています。しかし、1950年の聖母被昇天の教義後、メッセージの内容は変化しました。聖母は自身のイメージ像の作成を望み、ドイツの画家ハインリッヒ・レプケによって絵画が制作されました。

「すべての民の御母」のメッセージには、イスラエル建国、化学兵器開発、東西冷戦、カトリック教会の現代化、教皇ピオ12世の死、人類の月面着陸、人種間の和解、自然災害の増加、社会の退廃など、多くの出来事が予言されているとされています。これらの予言は、歴史的出来事と照らし合わせ、信憑性を検討する必要があります。また、湾岸戦争やユーロの形成なども含まれており、その予言の範囲の広さが注目されます。

聖母から与えられた祈り

ペアデマンは、聖母から次の祈りを授かったと伝えられています。

>主イエス・キリスト　御父の御子よ
>あなたの霊を今　全地の上に遣わしてください
>すべての民が堕落、災害、戦争から守られるよう
>すべての民の心に聖霊を住まわせてください
>聖母マリア、すべての民の御母が
>わたしたちの執りなし手でありますように
>アーメン

秋田の聖母像との関連

日本の秋田で奇跡を起こしたとされる聖母マリア像は、「すべての民の御母」を模して作られたと言われています。このことは、「すべての民の御母」のメッセージが世界各地に影響を与えたことを示唆しています。

カトリック教会の対応

カトリック教会は、「すべての民の御母」という称号の使用を当初は認可していました。しかし、その後、教理省はカトリック信者に対して、この出現と啓示を推進しないよう勧告しています。この教会の対応は、私的啓示に対する慎重な姿勢を示すものと言えるでしょう。

まとめ

「すべての民の御母」は、オランダで起こったとされる聖母マリアの出現と、そのメッセージを記録した出来事です。そのメッセージは現代社会の問題点への警告と未来への予言を包含し、秋田の聖母像にも影響を与えました。カトリック教会は、その信憑性について慎重な姿勢を保っています。この出来事の真偽や解釈は、信じる者それぞれの判断に委ねられますが、歴史的、社会的な文脈の中で理解していくことが重要です。ペアデマン自身の霊性や、彼女の体験が人々に与えた影響についても、多角的な視点から考察する必要があるでしょう。 様々な解釈が存在し、その信憑性については議論の余地が残されています。

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