すべり台

すべり台について

すべり台（すべりだい）は、主に公園で見かける遊具であり、また非常時には避難器具としても役立つ存在です。一般には、高い位置から滑り降りて遊ぶための道具として使用されますが、緊急時には人々を安全に移動させる手段としての機能も持っています。

遊具としてのすべり台

すべり台は、まずはしごや階段を使って上に登り、その後、座った状態で斜面を滑り降りることで楽しむことができます。住宅街にある公園では、多くの場合金属製のすべり台が見られますが、屋内用の幼児向け遊具としてはプラスチック製のものが一般的です。デザインに関しては、波状の滑り面を持つウェーブスライダーや、全体がトンネル状のトンネルスライダーなど、多様な形態があります。

特殊なすべり台の例

• - コンクリート製すべり台: 一部の公園では、言わば滑り台として整えられたなだらかなコンクリートの斜面や、独立した山型のプレイマウント（如き富士山を模したもの）が設置されています。さらに、大規模な公園では、複数の滑り降りる地点がある「タコの山」と称される施設も存在します。
• - ローラーすべり台: 滑降部にゴム製のローラーが並べられた形式で、長いものでは丘を利用して設置されています。有名なものとして、静岡県にある日本平動物園のローラースライダーがあります。
• - 垂直落下型すべり台: 通常のすべり台よりも滑降部が長く、上部は垂直で固定セイフティーバーにぶら下がってから滑り降りるタイプです。
• - ウォータースライダー: ウォーターパークでは、プールに向かって流れる滑り台が存在します。多くの場合、滑り降りる部分には水が流れており、特に人気のあるチューブ状の滑り台も多く見られます。
• - 雪製すべり台: 積雪地域で行われる地域イベントでは、雪を素材にした滑り台が期間限定で作られることがあります。

安全性の問題

すべり台の遊び方には、立ったまま滑ったり腹ばいになったりするものもありますが、これらは危険を伴います。また、滑り台を駆け上がる際の転倒事故の報告もあります。設置や管理には、突起物や隙間への対策、そして衝撃を和らげる安全な領域の設置が求められます。

避難器具としてのすべり台

すべり台は、幼稚園など2階建て以上の施設において避難道具としても利用されています。特に幼児にとって、階段での避難が難しい状況下でも、すべり台を利用することで迅速に安全な場所へ移動できる利点があります。

旅客機にも、緊急脱出用のスライドが搭載されています。アメリカ連邦航空局（FAA）や欧州共同航空当局（JAA）の規定に従い、非常時には乗客全員が90秒以内に飛行機を脱出するための装置として機能します。このため、非常口が開くと空気圧で展開される滑り台が設置されています。この使用方法は搭乗時に乗客全員に説明されます。

また、東京湾アクアラインのアクアトンネルでは、避難用のすべり台が300メートルおきに設けられています。

すべり台の具体例

埼玉県の宮代町立百間小学校にある滑り台は、大正時代に築造され、その文化的価値から2020年に国の登録有形文化財に登録されました。タコ型すべり台は全国各地に存在していますが、発祥は東京都足立区です。そして、富士山を模した型は名古屋で多く見ることができます。

高傾斜のフリーフォールすべり台も全国に多く見られ、秋田県のなまはげフリーフォールや、その他地域での様々な設置例が報告されています。さらに、長いすべり台も存在し、例えば山梨県の丹波山村には247メートルのローラーすべり台があります。

使われなくなったすべり台の例もあり、過去に事故が相次いだ山形県の立石寺には使用中止となった高低差のある下山用すべり台が存在しました。

このように、すべり台は遊具としての楽しさだけでなく、災害時や非常時の安全な移動手段としても重要な役割を果たしています。

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