すろうらいふすとーりー

『すろうらいふすとーりー』

シンガーソングライターのさだまさしが2003年10月22日にリリースしたアルバム『すろうらいふすとーりー』は、彼の29枚目のオリジナルアルバムです。この作品は、その年のイラク戦争を背景に、生命や平和の重要性を再認識するためのメッセージが込められています。また、さだはこのアルバムを通じて、リスナーに「昨日まで何をしたのか」ではなく、「明日から何をすることができるのか」を考えてもらいたいと訴えています。

概要

2003年はイラク戦争が始まった年であり、様々な社会的な問題が浮かび上がった年でもありました。さだまさしは、これらの出来事に対する思いを込めて、このアルバムを作成しました。楽曲は皆に「生きる意味」や「平和」について考え直すきっかけとなるように構成されており、聴く人々の心に届くよう努めています。

収録曲紹介

1. すろうらいふすとーりー
この曲では、現代の日本人が感じている時間に追われる日常や、カタカナ語の氾濫による日本語の変化について思索を巡らせています。アルバム名自体をカタカナ表記にしなかった理由もここにあり、ストレスの多い印象を避けるためだと語っています。

2. いつも君の味方
FNS 27時間テレビのテーマ曲にもなったこの楽曲は、先行してシングルとしてもリリースされました。さだが温かいメッセージを込めた、リスナーの心に響く曲です。

3. 風を見た人
イラク戦争への反戦の意を示した一曲で、風の視点から見た戦争の影響やテロの被害を通じて平和を再考することを促します。

4. しあわせの星
2003年に長崎県で行われたミュージカルの劇中歌であり、「生命」をテーマにした作品です。

5. 人生の贈り物 〜他に望むものはない〜
哲学的なテーマで、人生や幸福についての問いを、最後の時を迎えようとする人物の視点から描いた楽曲です。

6. どんぐり通信
さだの友人を追悼する内容を持ちつつ、現代社会における「世代」感の希薄さへの警鐘も鳴らしている作品です。

7. 南風に吹かれて
新幹線を題材にした切ない別れの曲で、さだが実際に見かけた知らない女性をイメージしています。

8. 八月のガーデニア
遅れた気づきを歌った作品で、大切な人と永遠に離れることについて切々と歌います。

9. 百日紅(ひゃくじつこう)
童謡からインスピレーションを受けた本曲は、長崎の景色を「無常観」で表現しています。

10. たいせつなひと（シネマ・ヴァージョン）
さだが手がけた小説を基にした映画の主題歌で、ストーリーと深いコネクションが感じられます。

このアルバムには、さだまさし自身が作詞作曲した曲がほとんどであり、その情熱とメッセージが詰まった楽曲群が、聴く人々に感動を与えています。参加ミュージシャンには、ギターの石川鷹彦やシンセサイザーの倉田信雄が名を連ねており、音楽的にも深みと広がりのある作品になっています。

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