その名は101
横山光輝による漫画作品『その名は101』は、1977年から1979年にかけて『月刊少年チャンピオン』に連載されました。単行本は少年チャンピオン・コミックスとして全5巻が刊行された後、ハードカバー版が全3巻として発売されています。
本作は、横山光輝の代表作である『バビル2世』の続編にあたり、特に本編の第3部から派生したもう一つの物語として位置づけられています。
元々『バビル2世』は第1部で完結する予定でしたが、読者からの高い人気に応える形で連載が続けられ、第2部、第3部、そして第4部までが描かれました。しかし、第4部に関しては、テレビアニメの高視聴率を受けた急な放送期間延長に伴い、連載も急遽延長が決定された経緯があります。十分な構想を練る時間がなかったことなどから、作者自身がその出来に完全に満足していなかったとされます。そのため、少年チャンピオン・コミックスの初期ラインナップには第4部が収録されず、代わりに、この『その名は101』が『バビル2世』の別バージョンの続編として先行して収録されることとなりました。
また、後に野口賢によって描かれた漫画『バビル2世 ザ・リターナー』は、『バビル2世』本編やアニメ版、そして本作『その名は101』など、複数の作品で描かれた設定を継承・発展させています。
物語は、超能力者であるバビル2世、本名・山野浩一が、アメリカの研究施設に「101」というコードネームで収容されている場面から始まります。彼は、自身の血液が重篤な病に苦しむ人々に活力を与え、回復を助けると教えられ、人道的な目的だと信じて研究に協力していました。しかし、提供していた血液が、実はCIAによって超能力を持つ工作員を生み出すために悪用されていた事実を知ります。
この衝撃的な真実を知った浩一は、直ちに施設からの脱走を決行。そして、自らの血によって生み出された超能力工作員たちを次々と抹殺していく道を選びます。次々に現れる超能力者との戦いを続ける中で、浩一は自身の行為に深まる虚しさを感じ苦悩します。そんな中、ある情報提供者から手掛かりを得て、長らく行方不明となっていた三つのしもべ（ロデム、ロプロス、ポセイドン）の居場所を知ることとなります。
三つのしもべを拘束していた水爆の起爆装置を、協力者の助けを借りて解除した浩一は、彼らを解放し、再び「バビル2世」として俗世から離れて生きることを決意します。しかし、情報提供の見返りとして渡した自身の血液が、宿敵であるヨミを蘇生させるために使われたことを知ります。因縁に終止符を打つため、浩一は復活したヨミとの最後の決戦へと向かいます。
バビル2世／山野浩一: 本作で初めてフルネームが明かされました。彼の血液には、輸血者に驚異的な治癒力をもたらし、一部の適合者には超能力を付与する能力があるという設定が加えられています。人助けのために血液を提供したつもりがCIAに欺瞞されていたことを知り、脱走。超能力工作員を次々と排除しますが、その行為に虚しさを感じます。三つのしもべを解放して平穏を望むも、ヨミの復活を知り最終決戦へ。本編に比べ、銃撃で瀕死となったり敵の能力に苦戦したりと、超能力者でありながらも弱点が描かれる描写が増え、救えなかった人々への無力感など、悲劇的な側面が強調されています。
局長: CIAにおいて、山野浩一の血液を用いて超能力者を生成し、その工作員たちを指揮する責任者。本名や詳細な肩書きは不明です。
王銀鈴: 山野浩一と出会い、恋人同士となる美しい女性。実はS国の諜報機関員であり、浩一への接近は組織の策略でしたが、次第に心から浩一を愛するようになります。葛藤の末、組織を裏切り、浩一を逃がす際に仲間に撃たれて命を落とします。
CIAの超能力者たち: 浩一の血によって超能力を得た者たち。赤毛のジャック、名称不明の超能力者、残虐なドミノ、暗殺者のアーネスト、離反したランバート、そして最後の刺客レナードなどが登場し、それぞれが固有の能力や戦法で浩一に挑みますが、ことごとく敗れ去ります。
スペンサー: 本作で唯一、山野浩一の血に由来しない自然発生的な超能力者。精度の高い遠隔視や予知能力、強い念動力を持つ非常にハイレベルな能力者ですが、攻撃的な能力は持たず、金銭目的でCIAに能力を売り込もうとします。浩一と対決しますが、攻撃能力の差により敗死。浩一は彼の能力の高さと時代錯誤な悲哀を感じます。
ジェームス: 浩一の血の適合者として超能力者となったCIA工作員。任務で多くの人間を殺害してきましたが、家族を深く愛していました。浩一に倒されますが、彼の最期の家族への思いが浩一に深い哀愁を抱かせます。彼の息子は『バビル2世 ザ・リターナー』で重要な役割を担います。
タルボ: ジェームスが浩一に敗れた後、浩一の戦い方を分析して挑みますが、詳細は語られることなく敗北します。
SBC会長: アメリカの大企業SBCのトップ。北極海で発見した仮死状態のヨミを企業の利益のために蘇らせようと画策します。浩一の血を入手するために、三つのしもべの居場所の情報を提供しますが、浩一からはヨミに利用されるだけだと指摘されます。
ダンディ: 爆弾の起爆装置解除の専門家。SBCに雇われ、三つのしもべを拘束していた水爆の起爆装置解除に成功。三つのしもべの解放に貢献しますが、彼らの存在を知らず、その力と威容を目の当たりにして驚愕します。高額な報酬を得て去っていきました。
ヨミ: バビル2世の宿敵。北極海で仮死状態で発見され、SBCが入手した浩一の血によって蘇生します。体力が回復しないまま浩一と対峙し、隠し持った銃で浩一を狙撃しますが、反撃を受けて昏倒。浩一と共に生死不明となります。
野口賢が作画を担当した漫画『バビル2世 ザ・リターナー』は、本作『その名は101』と、原作である『バビル2世』の両方の設定を継承した続編として描かれています。
本作は、横山光輝の代表作である『バビル2世』の続編にあたり、特に本編の第3部から派生したもう一つの物語として位置づけられています。
制作の背景
元々『バビル2世』は第1部で完結する予定でしたが、読者からの高い人気に応える形で連載が続けられ、第2部、第3部、そして第4部までが描かれました。しかし、第4部に関しては、テレビアニメの高視聴率を受けた急な放送期間延長に伴い、連載も急遽延長が決定された経緯があります。十分な構想を練る時間がなかったことなどから、作者自身がその出来に完全に満足していなかったとされます。そのため、少年チャンピオン・コミックスの初期ラインナップには第4部が収録されず、代わりに、この『その名は101』が『バビル2世』の別バージョンの続編として先行して収録されることとなりました。
また、後に野口賢によって描かれた漫画『バビル2世 ザ・リターナー』は、『バビル2世』本編やアニメ版、そして本作『その名は101』など、複数の作品で描かれた設定を継承・発展させています。
物語の概要
物語は、超能力者であるバビル2世、本名・山野浩一が、アメリカの研究施設に「101」というコードネームで収容されている場面から始まります。彼は、自身の血液が重篤な病に苦しむ人々に活力を与え、回復を助けると教えられ、人道的な目的だと信じて研究に協力していました。しかし、提供していた血液が、実はCIAによって超能力を持つ工作員を生み出すために悪用されていた事実を知ります。
この衝撃的な真実を知った浩一は、直ちに施設からの脱走を決行。そして、自らの血によって生み出された超能力工作員たちを次々と抹殺していく道を選びます。次々に現れる超能力者との戦いを続ける中で、浩一は自身の行為に深まる虚しさを感じ苦悩します。そんな中、ある情報提供者から手掛かりを得て、長らく行方不明となっていた三つのしもべ（ロデム、ロプロス、ポセイドン）の居場所を知ることとなります。
三つのしもべを拘束していた水爆の起爆装置を、協力者の助けを借りて解除した浩一は、彼らを解放し、再び「バビル2世」として俗世から離れて生きることを決意します。しかし、情報提供の見返りとして渡した自身の血液が、宿敵であるヨミを蘇生させるために使われたことを知ります。因縁に終止符を打つため、浩一は復活したヨミとの最後の決戦へと向かいます。
主な登場人物
バビル2世／山野浩一: 本作で初めてフルネームが明かされました。彼の血液には、輸血者に驚異的な治癒力をもたらし、一部の適合者には超能力を付与する能力があるという設定が加えられています。人助けのために血液を提供したつもりがCIAに欺瞞されていたことを知り、脱走。超能力工作員を次々と排除しますが、その行為に虚しさを感じます。三つのしもべを解放して平穏を望むも、ヨミの復活を知り最終決戦へ。本編に比べ、銃撃で瀕死となったり敵の能力に苦戦したりと、超能力者でありながらも弱点が描かれる描写が増え、救えなかった人々への無力感など、悲劇的な側面が強調されています。
局長: CIAにおいて、山野浩一の血液を用いて超能力者を生成し、その工作員たちを指揮する責任者。本名や詳細な肩書きは不明です。
王銀鈴: 山野浩一と出会い、恋人同士となる美しい女性。実はS国の諜報機関員であり、浩一への接近は組織の策略でしたが、次第に心から浩一を愛するようになります。葛藤の末、組織を裏切り、浩一を逃がす際に仲間に撃たれて命を落とします。
CIAの超能力者たち: 浩一の血によって超能力を得た者たち。赤毛のジャック、名称不明の超能力者、残虐なドミノ、暗殺者のアーネスト、離反したランバート、そして最後の刺客レナードなどが登場し、それぞれが固有の能力や戦法で浩一に挑みますが、ことごとく敗れ去ります。
スペンサー: 本作で唯一、山野浩一の血に由来しない自然発生的な超能力者。精度の高い遠隔視や予知能力、強い念動力を持つ非常にハイレベルな能力者ですが、攻撃的な能力は持たず、金銭目的でCIAに能力を売り込もうとします。浩一と対決しますが、攻撃能力の差により敗死。浩一は彼の能力の高さと時代錯誤な悲哀を感じます。
ジェームス: 浩一の血の適合者として超能力者となったCIA工作員。任務で多くの人間を殺害してきましたが、家族を深く愛していました。浩一に倒されますが、彼の最期の家族への思いが浩一に深い哀愁を抱かせます。彼の息子は『バビル2世 ザ・リターナー』で重要な役割を担います。
タルボ: ジェームスが浩一に敗れた後、浩一の戦い方を分析して挑みますが、詳細は語られることなく敗北します。
SBC会長: アメリカの大企業SBCのトップ。北極海で発見した仮死状態のヨミを企業の利益のために蘇らせようと画策します。浩一の血を入手するために、三つのしもべの居場所の情報を提供しますが、浩一からはヨミに利用されるだけだと指摘されます。
ダンディ: 爆弾の起爆装置解除の専門家。SBCに雇われ、三つのしもべを拘束していた水爆の起爆装置解除に成功。三つのしもべの解放に貢献しますが、彼らの存在を知らず、その力と威容を目の当たりにして驚愕します。高額な報酬を得て去っていきました。
ヨミ: バビル2世の宿敵。北極海で仮死状態で発見され、SBCが入手した浩一の血によって蘇生します。体力が回復しないまま浩一と対峙し、隠し持った銃で浩一を狙撃しますが、反撃を受けて昏倒。浩一と共に生死不明となります。
派生作品
野口賢が作画を担当した漫画『バビル2世 ザ・リターナー』は、本作『その名は101』と、原作である『バビル2世』の両方の設定を継承した続編として描かれています。
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