それいけ!アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ

それいけ！アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ：詳細解説

2016年7月2日公開の『それいけ！アンパンマン おもちゃの星のナンダとルンダ』は、アンパンマンシリーズ通算28作目の劇場版アニメーション映画です。高知やなせたかし記念館 アンパンマンミュージアムのオープン20周年を記念して制作されました。ただし、公式発表以外に記念作品であることを明記していない宣伝資料も多く、映画本編の冒頭にもその旨のクレジットは入っていませんでした。

キャッチコピーは「元気がみんなを勇気づけルンダ！」。主題歌は、原作者であるやなせたかし氏が作詞した楽曲「勇気のルンダ」が使用されており、この歌詞に登場するフレーズが、本作のゲストキャラクターの名前として採用されている点が特徴的です。

ゲスト声優として、女優の波瑠さん、お笑いコンビ中川家の礼二さんと剛さんが参加しました。本作は、アンパンマン映画シリーズで初めて併映作品のない1本立て構成となりました。そのため、2011年以降の同時上映作品で慣例となっていた観客参加型のシーンが、本作の冒頭部分に挿入されています。このシーンでは、歌詞のテロップが表示される演出がなされています。

アンパンマン映画が長編のみの製作となったのは、第5作『恐竜ノッシーの大冒険』以来のことです。また、上映時間は長編作品としては第8作『空とぶ絵本とガラスの靴』以来、60分を超える長さとなっており、従来の30分のテレビアニメ枠に2週にわたって放送された際には、冒頭の観客参加型シーンや、ヌラとの遭遇シーン、ばいきんまんの細かい動作描写、アンパンマンたちの追跡シーンなど、多くの部分がカットされました。

ストーリー

ゼンマイ仕掛けのおもちゃのお姫様、ルンダは、おもちゃの星からやってきました。彼女は「みんなが自分のために何かしてくれるのは当然」というわがままな性格です。そんなルンダは、体は大きく不器用ながらも心優しいおもちゃのロボット、ナンダと常に一緒に暮らしていました。

ある日、ルンダとナンダは、様々なものを玩具に変えることができる魔法のアイテム「おもちゃスティック」を、アンパンマンの世界に落としてしまいます。2人は慌ててスティックを探しに向かう途中、雷に打たれ、離れ離れになってしまいます。ナンダはクリームパンダたちのもとへ、ルンダはばいきんまんたちの元へ飛ばされてしまったのです。

クリームパンダたちはナンダと、ばいきんまんはルンダと協力し、それぞれおもちゃスティックを探して大冒険を繰り広げます。その過程で、ばいきんまんは悪巧みを企て、おもちゃスティックを奪ってアンパンマンをおもちゃに変え、倒そうとします。

ルンダとナンダは、アンパンマンたちと力を合わせ、おもちゃスティックを取り戻すことができるのでしょうか？

登場キャラクター

レギュラーキャラクター

アンパンマン（声：戸田恵子）
ばいきんまん（声：中尾隆聖）
ジャムおじさん（声：増岡弘）
バタコさん（声：佐久間レイ）
めいけんチーズ（声：山寺宏一）
ドキンちゃん（声：鶴ひろみ）
しょくぱんまん（声：島本須美）
カレーパンマン（声：柳沢三千代）
メロンパンナ（声：かないみか）
クリームパンダ（声：長沢美樹）
カバオくん（声：山寺宏一）
ちびぞうくん（声：坂本千夏）
みみせんせい（声：滝沢ロコ）
かびるんるん


ゲストキャラクター

ルンダ（声：波瑠）：おもちゃの星から来たゼンマイ仕掛けのお姫様。わがままで、語尾に「んだ」を付ける。
ナンダ（声：中川礼二）：おもちゃの星に住むロボットの男の子。体は大きく不器用だが、優しい性格。
ヌラ（声：中川剛）：巨大な海の主。
その他多数

スタッフ

原作：やなせたかし
監督：川越淳
製作：日本テレビ、バップ、トムス・エンタテインメント、フレーベル館、やなせスタジオ
その他多数

音楽

オープニングテーマ：「アンパンマンのマーチ」
エンディングテーマ：「勇気りんりん」
テーマ曲：「勇気のルンダ 2016」
挿入歌：多数


この作品は、アンパンマンシリーズの伝統を守りつつ、新しい試みも取り入れた、見応えのある作品となっています。特に、シリーズ初となる1本立て構成や、ゲスト声優陣の活躍は、多くのファンを魅了しました。また、やなせたかし氏の作品への深い愛情と、スタッフ・キャストの熱意が感じられる作品でもあります。

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