それいけ!アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌

それいけ！アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌：詳細解説

2010年7月10日に公開された『それいけ！アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌』は、『それいけ！アンパンマン』シリーズの劇場版作品として通算22作目に当たる作品です。本作は、シリーズの生みの親であるやなせたかし氏の「歌の力」への想いが込められており、歌をテーマにしたストーリーが展開されます。映画の冒頭では、アンパンマンたちが観客に呼びかけ、『アンパンマンのマーチ』が流れ始めると、一緒に歌ってくれるよう促す演出がなされています。

ストーリー

物語の中心人物は、カナリアの雛鳥の化身である少女カーナです。彼女は嵐の夜に「暗闇の森」へと飛ばされ、闇の女王ブラックノーズに人間の姿に変えられ育てられました。ブラックノーズの教えにより、「歌やダンス、美味しいパンは間違った幸せ」だと信じ込まされてきたカーナは、ブラックノーズの命令でアンパンマンの世界に現れ、「暗やみの笛」を使って人々の幸せな感情を奪います。しかし、アンパンマンやメロンパンナとの触れ合いを通して、カーナは自身の過ちに気づき始めます。

一方、ブラックノーズは、カーナを利用して自身の封印を解こうとしていました。カーナの行動によって世界の多くの人々が暗闇に包まれる中、カーナは自身の行いを悔い改め、笛を吹くのを止めようとします。しかし、その頃にはブラックノーズはばいきんまんと手を組み、封印は解かれてしまいます。ブラックノーズは地上に現れ、世界を暗黒で支配しようと企みます。アンパンマンたちは、カーナや人々の歌声の力、そして友情を武器にブラックノーズに立ち向かうのです。

登場キャラクター

本作にはアンパンマンシリーズおなじみのキャラクターたちが多数登場します。アンパンマン、ばいきんまん、ジャムおじさん、バタコさん、メロンパンナ、クリームパンダ、しょくぱんまん、カレーパンマン、そしてドキンちゃん、チーズといったレギュラー陣に加え、ゲストキャラクターとして、中谷美紀さんがカーナ役、さくらまやさんが同時上映作品の声優として参加しています。

特にばいきんまんは、闇の音符の世界的蔓延に関与しながらも、その後はブラックノーズを裏切りアンパンマンに協力するなど、複雑な行動を見せています。また、ホラーマンは骨格構造のため、雛鳥に変身した際も独特の姿をしています。

ブラックノーズは、強大な魔力を持つ闇の女王として描かれています。翼竜のような姿を持つ彼女は、カーナを操り人形のように利用し、世界を暗闇に染めようとします。彼女の目的は、自らの封印を解くことであり、そのためにカーナを操って人々の希望を奪おうとします。

同時上映作品：それいけ！アンパンマン はしれ！わくわくアンパンマングランプリ

『ブラックノーズと魔法の歌』と同時上映されたのは、『それいけ！アンパンマングランプリ』です。この作品は、アンパンマンワールドを舞台にしたレースが展開され、クリームパンダやマギーなど、様々なキャラクターたちが参加します。ばいきんまんも覆面レーサーとして登場し、レースを妨害しようとしますが、いつものように自滅してしまいます。この作品では、ロールパンナを除くパンチ五人が登場した点が特徴的です。次回作からは歌と手遊びの同時上映作品に変わったため、アンパンマン達がストーリーに関わる最後の同時上映作品となりました。

まとめ

『それいけ！アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌』は、歌の力と友情、そして希望の大切さを描いた感動的な作品です。音楽、ストーリー、キャラクター、そして同時上映作品と、見どころ満載の作品となっています。3億円という興行収入は、この作品が多くの観客に愛された証と言えるでしょう。

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