それゆけ、ジーヴス

それゆけ、ジーヴス

P.G.ウッドハウスによるユーモア小説短編集『それゆけ、ジーヴス』（原題：Carry On, Jeeves ）は、1925年にイギリスで、1927年にアメリカで出版されました。全10編からなるこの短編集は、バーティー・ウースターと彼の天才的な従者ジーヴスを中心に、様々な騒動が巻き起こる様を描いています。

収録作品

この短編集には、以下のような作品が収録されています。

ジーヴス登場：ジーヴスがバーティーに雇われることになった経緯が語られます。また、フローレンス・クレイ嬢やエムズワース卿など、シリーズを代表するキャラクター達も登場します。
コーキーの芸術家稼業：ニューヨークを舞台に、芸術家コーキーと彼の叔父との間で繰り広げられる騒動が描かれます。ミュリエル・シンガー嬢も登場し、物語を盛り上げます。
ジーヴスと招かれざる客：レディー・マルヴァーンとその息子ウィルモットが、バーティーのフラットにやってくることから始まる騒動を描きます。ウィルモットの意外な一面が明らかになります。
ジーヴスとケチンボ公爵：ビッキーの伯父であるチズウィック公爵がアメリカにやってくることになり、バーティーとジーヴスは一計を案じます。
伯母さんとものぐさ詩人：ロッキーが、伯母からの手紙に困り果て、バーティーに助けを求めます。ジーヴスの機転により、事態は思わぬ方向へ。
旧友ビッフィーのおかしな事件：パリで旧友ビッフィーと再会したバーティーは、彼の奇妙な状況を知ります。ジーヴスは珍しく、個人的な問題には関わらない方が良いと忠告します。
刑の代替はこれを認めない：酔った勢いで警官のヘルメットを奪ったシッピーの代わりに、バーティーがケンブリッジへ行くことになります。そこでバーティーを待ち受けていたのは…
フレディーの仲直り大作戦：婚約者のエリザベスと仲直りしたいフレディーのため、バーティーは一肌脱ぐことに。しかし、事態は予想外の展開を見せます。
ビンゴ救援部隊：ビンゴの妻から女中を紹介してほしいと頼まれたバーティーは、ジーヴスに相談します。ダリア叔母もジーヴスにコックを探してほしいと頼み、事態は複雑に絡み合います。
バーティー考えを改める：軽いインフルエンザにかかったバーティーは、突如として考えを改め、姉と同居すると言い出します。ジーヴスは、何とかしてバーティーの考えを改めさせようと策を巡らせます。

登場人物

バーティー・ウースター：伯爵位継承予定の青年。ジーヴスに全幅の信頼を寄せており、彼の助けなしでは何もできません。
ジーヴス：バーティーの従者。並外れた知識と能力を持ち、あらゆる難題を解決します。

特徴

『それゆけ、ジーヴス』は、P.G.ウッドハウス独特のユーモアと軽妙な文章が魅力です。個性的なキャラクター達が織りなすドタバタ劇は、読者を飽きさせません。また、ジーヴスの知恵とバーティーの間の抜けた行動の対比が、物語をさらに面白くしています。

この短編集は、シリーズのファンはもちろん、初めてP.G.ウッドハウス作品に触れる方にもおすすめです。ユーモア溢れる物語を、ぜひお楽しみください。

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