たかちひろなり

たかち ひろなりは、日本の漫画業界で活躍する漫画家の一人です。

来歴

クリエイターとしてのキャリアはまずアニメーターとしてスタートしました。アニメ制作の現場で培われた経験は、その後の漫画家としての活動に生かされています。

漫画家としての道を歩み始めた後、2009年には講談社が発行する『週刊少年マガジン』において、『課長令嬢』という作品を前後編の読み切り形式で発表しました。この読み切りが高い評価を得たことで、同年中に正式な連載へと移行することになります。これが、たかちひろなり氏にとっての本格的な連載デビュー作となりました。

その後、活躍の場は多岐にわたります。集英社の『週刊少年ジャンプ』編集部からの紹介もあり、同社のウェブコミックサービス『少年ジャンプ+』向けの読み切り作品を執筆しました。さらに、2019年にはコミックスマートが運営する漫画アプリ『GANMA!』にて、ショートコメディ作品『にのにの』の連載を開始し、新たな読者層を獲得しました。

また、スクウェア・エニックスの漫画アプリ『マンガUP!』で連載された『きれいな黒髪の高階さん（無職）と付き合うことになった』では、原作：森田季節、構成：おはら誠という体制の中で、自身は構成の一部を担当するという形で関わっています。直近では、2024年にスクウェア・エニックスの『ヤングガンガン』にて読み切り作品を発表するなど、精力的に活動を続けています。

作風と人物

たかちひろなり氏の作風を語る上で特筆すべきは、その圧倒的に細密な描き込みです。『週刊少年マガジン』の編集担当者からは、「世界一細かに描き込んでいるギャグマンガ家」というユニークな評価を受けています。彼の漫画には、背景や小物、キャラクターの表情や仕草に至るまで、驚くほど丁寧に、そして緻密に描かれた要素が詰め込まれています。

この徹底した描き込みは、彼独自のギャグ表現や世界観を構築する上で重要な役割を果たしています。しかし、その細密さゆえに、作画には相応の時間を要するようです。具体的な例として、キャラクター一人を描くだけでも30分もの時間を要するというエピソードは、彼の作画に対するこだわりと、それがもたらす労力の一端を示しています。このような作画スタイルは、特にギャグ漫画においては稀有であり、彼の作品が持つ独自の魅力の源泉となっています。

主な作品

課長令嬢（講談社『週刊少年マガジン』、2009年 - 2010年、全2巻）：前後編の読み切りから連載化された代表作。
人間の達人（集英社『少年ジャンプ+』、2016年）：読み切り作品。「金未来玉杯 エントリーNo.5」として発表されました。
にのにの（コミックスマート『GANMA!』、2019年 - 2020年）：ショートコメディ。
きれいな黒髪の高階さん（無職）と付き合うことになった（原作：森田季節、構成：おはら誠、スクウェア・エニックス『マンガUP!』、2021年 - 2023年、全4巻）：構成として参加。
* 知らないアナタと散歩する（スクウェア・エニックス『ヤングガンガン』、2024年）：読み切り作品。

アニメーターとしてキャリアをスタートし、緻密な筆致で独自のギャグ漫画を描き続けるたかちひろなり氏。その多様な媒体での活動と、唯一無二の作風は、今後の作品にも大いに期待を抱かせます。

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