たま◇なま

たま◇なま

『たま◇なま』は、冬樹忍による日本のライトノベル作品であり、イラストは魚が担当しています。本作は、第1回ノベルジャパン大賞（ホビージャパン主催）を受賞しており（受賞時のタイトルは「生物は、何故死なない?」）、HJ文庫（ホビージャパン）より2007年7月から2009年2月にかけて全7巻が刊行されました。

あらすじ

主人公である氷見透は、高校の入学式当日に交通事故で両親と妹を失うという悲劇に見舞われます。それから一年後、彼は実家である祖父の家がある神奈川県十葉市へと引っ越し、新たな生活を始めることになります。しかし、転校先の高校での始業式の日、誰もいないはずの自宅で、彼は驚くべき存在と出会います。それは、少女の姿をした地球外生命体でした。

主な登場人物

氷見 透（ひみ とおる）
十葉市立高校二年生の少年。交通事故で家族を失い、一人暮らしを始めます。ある日、家に現れた「欠片」の少女によって「破片」にされてしまいます。教員を目指しており、物語が進むにつれて、彼自身の出自と能力が明らかになっていきます。

紅 由宇（くれない ゆう）
透の家に現れた地球外生命体「欠片」の少女。透を「破片」へと改造し、そのまま家に住み着きます。宇宙空間で得た知識を失いつつあり、現代社会の常識に疎い一面も。当初は人類を滅ぼそうと目論んでいましたが、透との生活を通して変化していきます。

不破 灯璃（ふわ あかり）
透の同級生で、クラス委員を務める少女。面倒見が良く、透の世話を焼きたがります。隕石の事故で家族を失い、自身も「破片」となりました。特殊犯罪対策室の臨時職員としても活動しています。

式津 愛華（しきづ あいか）
透の後輩で、一年生。「破片」の一人。思い込みが激しい性格で、当初は透と由宇の関係を誤解していましたが、後に和解し、学園行事実行部に入部します。「希少種」としての能力を持ち、宝石憑きの存在を探知することができます。

七尾 花梨（ななお かりん）
学園行事実行部の部員で、透の同級生。三つ編みと眼鏡が特徴的な少女。自作の詩を密かに書き溜めています。

七尾 遊也（ななお ゆうや）
花梨の兄で、大学生。妹に対して過保護な一面があります。

鳥羽
学園行事実行部の男子部員。丸刈りが特徴で、部長を務めます。

羽幌
学園行事実行部の男子部員。内気な性格ですが、格闘技が得意です。

兵藤 和樹（ひょうどう かずき）
学園行事実行部の元部長で、透より一学年上の三年生。

童子・清音・マルグリット（どうじ きよね まるぐりっと）
7巻で登場する新入部員。ハーフの美少女で、過去に透に助けられたことがあり、彼に会うために十葉高校に入学してきました。

その他の組織・人物

特殊犯罪対策室
「宝石憑き」を管理する警察組織の一室。氷見朗が室長を務めています。

欠片同盟
高質量の「欠片」たちが作った組織。構成員は公務員としての地位を保証されています。

煉獄（ブルガトリオ）
関西で発生した「破片」たちのカルト集団。

白い人
強大な力を持つ「欠片」。自らの「破片」を配り歩き、「白の使徒」を増やしています。

世界観

物語の背景には、「宝石」と呼ばれる鉱物生命体が存在します。彼らは「自死」という衝動から逃れるため、地球に飛来し、粉々に砕け散りました。その破片が人間に取り込まれることで、「欠片」や「破片」と呼ばれる存在が生まれます。「宝石憑き」となった人々は、驚異的な身体能力や特殊能力を得る一方、様々な問題に直面することになります。

まとめ

『たま◇なま』は、学園を舞台に、少年と地球外生命体の少女が出会い、共に成長していく物語です。特殊な力を持つ者たちの日常と、彼らを巡る陰謀が描かれており、ファンタジー要素と青春ドラマが融合した作品となっています。

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