だいじょーぶママ

だいじょーぶママ

『だいじょーぶママ』は、1997年の夏期、具体的には8月4日から9月26日までの期間、平日の昼帯に放送された日本のテレビドラマ作品です。このドラマは、中部日本放送（CBC）が企画・制作を手がけ、全国のTBS系列局で、当時主婦層を中心に人気を博していた帯ドラマ枠『ドラマ30』の中でオンエアされました。放送時間は月曜日から金曜日の午後1時30分から2時00分までの30分間で、全8週にわたり、合計40回が制作・放送されました。

あらすじとテーマ

本作は、日常に潜む、しかし誰もが直面し得る身近な家族の問題をテーマにしたホームコメディです。特に焦点を当てられたのは、遺産相続やお墓事情といった、金銭や慣習、そして何よりも家族の繋がりや将来に関わるデリケートな事柄です。ごく普通の専業主婦である主人公が、これらの問題に巻き込まれ、家族や親族との間で様々な葛藤や騒動を経験する姿が、時にユーモラスに、時に真剣に描かれます。伝統的な家族制度と現代社会における価値観の変化の中で生じる「お墓をどうするか」「受け継がれる財産をどう分けるか」といった問いかけは、多くの視聴者にとって共感を呼ぶものでした。ホームコメディというジャンルでありながら、人生の終末や家族のあり方といった、やや重くなりがちなテーマを、親しみやすいキャラクターと展開で描いている点が特徴です。

主なキャスト

物語の中心となるキャラクターを演じたのは、以下の俳優陣です。

サチコ：宮崎淑子
本作の主人公。ごく平凡な日常を送る主婦でしたが、突然持ち上がった遺産相続やお墓に関する問題に直面し、様々な出来事を通じて成長していきます。家族のために奮闘する姿が描かれました。
ナナ：加藤愛
サチコの娘で、思春期の中学生。母親の悩みを間近で見ながら、時に反発し、時に理解を示すなど、等身大の姿が描かれました。
* とき子：春川ますみ
サチコの姑であり、ナナの祖母。お墓問題について、従来のお墓ではなく海への散骨を希望するなど、現代的な死生観を持つ人物として描かれ、物語に深みを与えました。

その他、物語を彩る個性豊かなキャラクターとして、ナナの友人であるユカリを小島亜美が演じたほか、絵沢萌子、石井洋祐、松木秀樹、南原宏治、そして宮本裕子といった実力派俳優が出演し、ドラマの世界観をより豊かなものにしました。

主題歌

本作の主題歌には、又紀仁美が歌う楽曲『鏡の迷路』が採用されました。この楽曲は、又紀仁美自身が作詞・作曲も手がけており、日本コロムビアからリリースされました。日々の放送を締めくくるメロディーが、ドラマの雰囲気と重なり、視聴者の心に印象を残しました。身近なテーマを扱った本作に寄り添う、等身大の歌詞とメロディーが魅力です。

『だいじょーぶママ』は、昼帯の限られた時間の中で、多くの家庭が向き合うであろう普遍的なテーマを扱い、笑いと感動を交えながら描かれた作品として、当時の視聴者に親しまれました。遺産やお墓といった話題が、単なる問題としてではなく、家族の絆を再確認し、それぞれの生き方や願いに思いを馳せるきっかけとなる様子が丁寧に描かれています。

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