だまされて貰います

映画『だまされて貰います』の詳細

『だまされて貰います』は、1971年に公開された日本のコメディ映画で、クレージーキャッツが主演する最後の作品となりました。この映画は、東宝のクレージー映画の中でも特に特異な位置を占めており、「作戦シリーズ」の最終作でもあります。メンバー全員が勢ぞろいしたことから、多くのファンにとって記念すべき一作となっています。なお、石橋エータローさんは1971年1月にクレージーを脱退しており、彼を除いたキャストが顔を揃えています。

概要

本作は、植木等と加藤茶のコンビが中心となって展開されており、初期の企画段階では『植木等・加藤茶のなんでもやらせて貰います』というタイトルが考えられていました。映画の宣伝では“クレージー勢揃い”を前面に押し出しつつ、特にこの二人の関係性がクローズアップされています。前作の『日本一のワルノリ男』に続いて、本作でも多くのロケ地が海外で設定され、ハワイやロサンゼルスに加え、さらにニューヨークにも足を運んで撮影が行われました。

特筆すべきは、植木等と谷啓がデュエットで歌う「カモン!ニューヨーク」という楽曲で、ジャズがベースの二人のスタイルを真逆に反映したハードロックなナンバーを彼らが見事にこなしている点です。

ストーリー

映画の中心となるストーリーは、詐欺師・伊賀良太郎（植木等）が主人公です。彼は東北新幹線の建設事業を偽って、地方の村長や忠作（加藤茶）を欺き、一儲けを企みます。さらに忠作が思いを寄せる花子を連れ去るという展開が繰り広げられます。
東京に来た良太郎は、水がガソリンに変わるという発明に取り組んでいる早川源内（谷啓）と妹の光子に出会います。良太郎はこの発明を利用してさらなる詐欺を画策するも、そこに現れるのが「エンパイヤ・アマルガム・テクニクス社」のジョージ広田。彼は良太郎に、その発明をアメリカへ持って行くようにと持ちかけます。

スタッフとキャスト

この映画の製作は渡辺晋と田波靖男の二人が担当し、監督も田波靖男が務めています。音楽は萩原哲晶が手がけています。クレジットされたキャストとしては、伊賀良太郎が植木等、忠作が加藤茶、源内が谷啓など、多くの著名な役者たちが出演しています。また、挿入歌に関しては「最後の一時間」と「カモン！ニューヨーク」が重要な役割を果たしています。

ビデオソフト化・再放送

1980年頃にこの映画は東宝ビデオからテレビサイズのビデオソフトとしてリリースされましたが、その後の再発売は行われていませんでした。2020年時点ではDVDやBDへの化は行われておらず、2015年にCS放送で初めてHDリマスター版が放送されました。

本作は、クレージーキャッツのファンにとって大切な一作であり、未だに多くの観客に愛されています。

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