だらくやストア物語

だらくやストア物語

『だらくやストア物語』は、著者の臼井儀人による4コマ漫画作品であり、彼のデビュー作でもあります。この作品は1987年に『Weekly漫画アクション新人賞』で佳作に選ばれ、さらには同誌で連載が始まりました。この成功が後に彼の代表作である『クレヨンしんちゃん』の誕生へとつながっていくのです。また、本作のキャラクターである二階堂信之介は、野原しんのすけのモデルとしても知られています。

経歴と背景

もともと臼井儀人は、イトーヨーカドーでのアルバイト経験を活かし、スーパーマーケット「だらくや」を舞台にした作品を描きました。単行本の説明文には『これは大型ストアを舞台に繰り広げられる人間たちの戦いの記録である』と記されています。このように、物語は特定の主人公を持たないものの、二階堂信之介が中心的な役割を果たすことが多いです。物語の多くは、「だらくや」の北春日部店で展開され、特に藤枝店長がその舞台をリードしています。

登場キャラクター

• - 藤枝: スーパーマーケット「だらくや」の北春日部店の店長であり、45歳のB型の男性です。
• - 二階堂信之介: 「だらくや」の創業者であり、彼の過去は非常に波乱に満ちています。彼は昭和元年に生まれ、奉公時代には様々な試練を経験しました。特に印象的なのは、彼が川で溺れていた際にオカマのバーバラに助けられ、彼のサポートでスナックや問屋に就職し、商人としての才能を開花させていく過程です。
• - おりつ: 山田材木店の女中頭で、一見優しいが、実は隠れた一面を持っています。
• - バーバラ: 様々な困難を乗り越え、信之介に多大な影響を与えた人物です。強いプライドを持ち、彼との友情が作品の中で描かれています。
• - 二階堂屋のおかみ: 商売の才能を見抜く一方で、夫を陰から操る恐妻家でもあります。
• - 二階堂雪代と夏江: 信之介の恋愛対象であり、それぞれ異なる人物像を持つ重要な役割を果たしています。
• - ハヤミ: 信之介の徴兵時代の同班兵士であり、互いに友情を築いていく様子が描かれています。

作品の影響

『だらくやストア物語』は、ストーリー展開やキャラクターの描写を通じて、読者に多くの笑いと共感を与えています。特に、二階堂信之介の生い立ちや彼の商才が物語の中でどのように育まれていくのかが重要なテーマとなっています。

さらに、この作品におけるキャラクターの多様性や独特なキャラクター設定は、後の『クレヨンしんちゃん』にも大きな影響を与えています。これにより、作者から生まれた新たなヒーローが誕生し、日本の漫画界においてその地位を確立しました。

書誌情報

本作は、アクションコミックスとして双葉社から全3巻が出版されています。初版は1988年11月で、以降も続編として多くの読者に親しまれています。このように、臼井儀人の初期の成長と彼の影響を今なお感じることができる作品となっています。

もう一度検索