ちんぐろ

『ちんぐろ』 - LOVE JETSのデビューアルバム

『ちんぐろ』は、忌野清志郎が異名のもとに展開したバンド、LOVE JETSの1枚目のスタジオ・アルバムで、2003年7月2日にリリースされました。この作品は、リスナーにとって未知なる宇宙のロックンロールの世界を届けることを目的とした魅力的なコンセプトアルバムです。

LOVE JETSのユニークなコンセプト

LOVE JETSは「突如飛来した異星人がロックンロールで地球人との交信・交流を試みる」という独創的な設定のもとに結成されました。彼らは仮面をかぶり、自転車用ヘルメットを被った謎めいた宇宙人のバンドとして、独自のスタイルを確立しています。メンバーは、ボーカルとギターを担当するPURAHA、ベースとコーラスのPYE-RON、ドラムとコーラスのPRINCIPALの3人から成ります。このバンドは2002年から活動を開始しており、すでにシングルをリリースしていますが、アルバムは本作が初めてのインディーズからの発表となります。

アルバムタイトルの由来

アルバムのタイトル「ちんぐろ」（친구로）は、朝鮮語で「友だちとして」という意味です。PURAHAが語るところによると、自宅に遊びに来た2人の韓国人の友人が盛んに「チングロ」と言っていたのを聞いたことがきっかけで、このタイトルが採用されました。このユニークなエピソードから名付けられたタイトルは、アルバムの内容にも友好的なメッセージを感じさせます。

ディスクジャケット

アルバムのジャケットは、テレビ朝日の番組『徹子の部屋』のセットで撮影されました。MCの黒柳徹子さんとメンバー3人が一緒に写っており、この風景がまた一つの独特な印象を与えています。ロックンロールの音楽とはひと味違った、親しみやすさを感じるビジュアルもこのバンドの魅力の一つです。

収録曲の魅力

アルバムには、各楽曲がバラエティに富んだ内容で収録されています。以下に主な収録曲を挙げます：

1. LOVE JETSのテーマ（作詞･作曲：LOVE JETS） - 5:49
- LOVE JETSの活動を象徴するテーマ曲で、エネルギッシュなサウンドが特徴です。

2. SPACE DISCO（作詞：PURAHA & PRINCIPAL、作曲：PYE-RON & PRINCIPAL） - 5:11
- 宇宙をイメージしたリズミカルでダンスしやすい曲です。

3. POP PEOPLE POP（作詞：PURAHA & PRINCIPAL、作曲：PYE-RON） - 5:41
- 軽快でキャッチーなメロディが印象的なナンバー。

4. 친구로のテーマ（作曲：LOVE JETS） - 1:40
- タイトルの意味を反映した短いテーマ曲。

5. シスター・アンドロメダ（作詞･作曲：PURAHA & PYE-RON） - 5:47
- 力強いサウンドと個性的な歌詞が特徴的。

6. 宇宙ブギ（作曲：LOVE JETS） - 0:59
- 短いながらも印象に残るインストゥルメンタル曲。

7. LOVE JETSのキモちE（作詞･作曲：PURAHA） - 3:48
- RCサクセションの「キモちE」のセルフカバーで、新たな解釈が楽しめます。

8. LOVE JETSのエンディング・テーマ（作詞･作曲：LOVE JETS） - 2:19
- アルバムの締めくくりを飾る円熟した楽曲。

9. 宇宙ブルース〜SPACE CO-OPERATION（ボーナストラック、作曲：LOVE JETS） - 23:24
- 長尺の楽曲で、リスナーを宇宙旅行に誘います。このトラックの間には無音部分があり、独特な体験を提供します。

『ちんぐろ』は、革新的なアイデアとメンバーの卓越した音楽性が融合した、聴く者の心を掴む魅力的なアルバムです。この作品が作られた背景を知ることで、リスナーはより深く音楽を楽しむことができるでしょう。

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