つきひざ

相撲における非技「つきひざ」とは

「つきひざ」とは、大相撲において、相手の力士からの影響を受けることなく、自らの膝が土俵についてしまうことで勝負が決まる「非技」の一つです。2001年から新たに非技として加えられました。相撲関連の書籍などでは「つきヒザ」と表記されることもあります。

膝だけでなく、足の甲などが土俵についてしまった場合も、公式記録上は「つきひざ」として扱われます。

「つきひざ」の適用例

十両では2003年7月場所、幕内では2004年9月場所で初めて適用されました。その後も、以下のような取り組みで「つきひざ」が記録されています。

2003年7月場所4日目: 増健 - 北桜戦（増健がつきひざ）
2004年9月場所3日目: 旭天鵬 - 栃東戦（栃東がつきひざ。この取り組みで栃東は右膝を痛め、翌日から休場）
2008年1月場所2日目: 豊真将 - 北勝力戦（北勝力がつきひざ）
2009年1月場所14日目: 白鵬 - 千代大海戦（千代大海がつきひざ）
2009年3月場所5日目: 翔天狼 - 黒海戦（翔天狼がつきひざ）
2010年7月場所12日目: 德瀬川 - 豪風戦（豪風がつきひざ）
2011年1月場所12日目: 白鵬 - 日馬富士戦（日馬富士がつきひざ）
2012年1月場所3日目: 天鎧鵬 - 芳東戦（芳東がつきひざ）
2012年7月場所中日: 旭天鵬 - 碧山戦（旭天鵬がつきひざ）
2013年1月場所中日: 若の里 - 千代大龍戦（千代大龍がつきひざ）
2013年1月場所14日目: 豊ノ島 - 妙義龍戦（妙義龍がつきひざ）
2013年5月場所12日目: 豪栄道 - 松鳳山戦（松鳳山がつきひざ）
2014年9月場所千秋楽: 常幸龍 - 豊響戦（常幸龍がつきひざ）
2014年11月場所12日目: 千代大龍 - 誉富士戦（千代大龍がつきひざ）
2019年7月場所12日目: 阿炎 - 遠藤戦（阿炎がつきひざ）

ただし、実際には「つきひざ」と判断されるような場面でも、「突き落とし」などの決まり手として記録されることが多く、「つきひざ」として記録される例は比較的少ないのが現状です。

昭和時代の「つきひざ」

平成以前にも「つきひざ」に相当するものが非技として存在していたと考えられています。大正12年の書籍には「負手」の一つとして「突膝」の規定がありました。記録が明確な例としては、1928年10月場所の鏡岩 - 瀬戸山戦が最初とされ、その後、以下の取り組みが報告されています。

1928年10月場所2日目: 鏡岩 - 瀬戸山戦（瀬戸山がつきひざ）
1929年1月場所10日目: 劔岳 - 荒熊戦（荒熊がつきひざ）
1920年1月場所4日目: 大蛇山 - 武藏山戦（武蔵山がつきひざ）
1933年1月場所5日目: 錦華山 - 双葉山戦（双葉山がつきひざ）
1950年1月場所初日: 神風 - 鏡里戦（鏡里がつきひざ）

ただし、戦前は報道機関によって決まり手の扱いが異なっていたため、これらの例はあくまで報告例に過ぎず、公式記録として扱うには注意が必要です。1957年に日本相撲協会が70の決まり手と2つの非技を制定した際、「つきひざ」が含まれなかったため、以降2001年まで記録されることはありませんでした。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧

外部リンク

* つきひざ - 決まり手八十二手 - 日本相撲協会公式サイト

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