つくば3Eフォーラム

つくば3Eフォーラム

「つくば3Eフォーラム」（英称: Tsukuba Environment-Energy-Economy Forum）は、日本の学術・研究拠点である筑波研究学園都市を舞台に、環境（Environment）、エネルギー（Energy）、経済（Economy）という三つの視点を統合し、持続可能な低炭素社会システムを地域から創造するための枠組みです。筑波大学が中心となり、筑波研究学園都市内の主要な４つの国立研究開発法人、そして茨城県およびつくば市が連携して運営されています。

目的と目標

本フォーラムの目的は、これまで個別に活動する傾向があった筑波研究学園都市の多様な機関が持つ技術や知識を分野横断的に結集し、連携を強化することにあります。環境、エネルギー、経済は互いに影響し合う「トリレンマ」の関係にあるとされ、その全てが調和しながら発展する「低炭素社会」や「つくばエコシティ」の実現を目指します。

この取り組みにおいて、つくば地域は実証の場と位置づけられ、具体的な数値目標として2030年までにつくば市内の二酸化炭素排出量を50%削減することを掲げています。さらに、この目標達成に向けたつばでの実践から得られた知見や成功モデルを、他の地域にも展開していくことを目指しています。

主な活動：つくば3Eフォーラム会議

2007年12月に発足して以来、つくば3Eフォーラムは毎年一度、「つくば3Eフォーラム会議」という公開会議を開催しています。この会議には、産業界、学術界、官公庁、市民社会という産学官民の幅広い分野から多様な参加者が集まります。低炭素社会実現に向けた研究成果発表、政策提言、活動報告、そして活発な議論が行われる重要な交流の場となっています。構成機関や大学の代表者、行政関係者に加え、市民グループや学生も発表者として登壇しています。

過去の主な会議としては、2007年12月の第1回、海外環境都市からの講演を招いた2008年の第2回（テーマ「20年後のつくばであなたはどう暮らしていますか？」）、つくば市の環境計画が発表された2009年の第3回（テーマ「つくばに未来をたくす」）などがあります。

構成主体

本フォーラムを構成する主な機関は以下の通りです。

筑波大学
産業技術総合研究所
国立環境研究所
物質・材料研究機構
農業・食品産業総合研究機構
茨城県
* つくば市

学生の貢献

本フォーラムの設立後、筑波大学の学生有志は「3Ecafeプロジェクトチーム」を結成し、学生の視点から環境都市づくりに貢献しています。彼らの活動の中心は、定期開催される「3Eカフェ」です。2008年2月から継続しており、「3E」分野の研究者や企業人、大学院生らをゲストに招き、話題提供と参加者間のグループトークを組み合わせることで、専門知識の共有と交流促進を図っています。

また、このチームは大学内で「3E」関連科目の設置を提案したり、キャンパスの環境負荷低減策を提言するなど、学内でも持続可能な取り組みを促す活動を行っています。

まとめ

つくば3Eフォーラムは、筑波研究学園都市の知と地域のリソースを結集し、環境、エネルギー、経済の統合的な視点から、低炭素社会モデルを創造する先進的な取り組みです。産学官民の連携と具体的な目標設定により、持続可能な社会の実現に向けた地方からの貢献を目指しています。つくばでの実践が、国内外の他の地域における環境・社会課題解決の参考となることが期待されます。

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