つばさ (2009年のテレビドラマ)

連続テレビ小説『つばさ』の概要

『つばさ』は、2009年3月30日から9月26日まで放送された、NHKの連続テレビ小説第80作目の作品です。埼玉県川越市が舞台になっており、このシリーズの中で埼玉県が舞台になるのは初めてのことです。これにより、連続テレビ小説の全ての都道府県が舞台として使用されました。主演を務めた多部未華子は、オーディションで1593人の候補者の中から選ばれました。

制作背景と初の試み

本作の制作はNHKのFM本放送の40周年を記念し、放送前には様々な特集が組まれました。主人公の設定には、コミュニティFM局の従業員になる要素があり、関連番組やキャンペーンに多部未華子が起用されるなど、地元のさいたま放送局も盛んに宣伝活動を行いました。作品のクランクインは2008年11月に始まり、クランクアップは翌年の8月に完了しました。

視聴率と反響

『つばさ』は、放送初回に17.7%の視聴率を記録し、年間平均視聴率は13.8%でしたが、これは前作『瞳』の15.2%を下回り、過去最低の視聴率となりました。関西地区においても視聴率は11.3%と過去最低を記録しました。東京制作の8時15分枠で放送された連続テレビ小説としては最後の作品となりました。

あらすじ

物語は20歳の主人公、玉木つばさが家業の老舗和菓子屋「甘玉堂」を継ぐことから始まります。彼女は実家の家事全般を任されていましたが、音信不通だった母がある日帰宅します。その結果、家には想像以上の借金があることが発覚し、祖母は現在の店舗を手放す決断を下しました。母の借金を清算するため、不動産業者の斎藤と関わりを持つことになり、やがてつばさ自身も地元のコミュニティFM局の立ち上げに参加することになります。

主な登場人物

• - 玉木つばさ（演：多部未華子）: 20歳の大学生で専業主婦的な生活を送っていたが、母が戻り生活が一変。
• - 玉木加乃子（演：高畑淳子）:つばさの母で、自由奔放な性格。
• - 玉木竹雄（演：中村梅雀）:つばさの父で、嫁に従順な夫。
• - 玉木千代（演：吉行和子）: つばさの祖母で甘玉堂の女将。
• - 玉木知秋（演：冨浦智嗣）:つばさの弟で学業優秀だが、母の帰還で情緒不安定。
• - 斎藤浩徳（演：西城秀樹）:母に関わりの深い不動産業者で、甘玉堂に金を貸している。

音楽と演出

本作は音楽にも新しい試みがなされており、住友紀人が手掛けました。様々な国の楽器が使用され、特に音楽面での革新が評価されました。また、オープニングやエンディングには多部未華子の演技をスライドショー形式で展示し、当時の新しい創意工夫が見られます。

評価とスピンオフ

視聴者からの評価は二極化しており、一部では熱心な支持を受けましたが、批判もありました。スピンオフドラマも制作され、ファンの間で今も支持を受け続けています。放送終了後も、ドラマに関連したイベントや記念碑が川越市で立てられるなど、作品の影響は今も続いています。

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