つりビット

つりビット

つりビット（TSURI×BIT）は、2013年から2019年にかけて活動した日本の5人組女性アイドルグループです。株式会社Sugar&Spiceに所属していました。単なるアイドル活動にとどまらず、「釣りに打ち込む」という独自のコンセプトを掲げ、音楽と釣りの両分野でその個性を発揮しました。

コンセプトと活動スタイル

グループは「釣りを通して大自然の厳しさや大切さを学び、スポーツとしての競争意識を養いながら、情緒豊かで素敵な女性に成長すること」を目指すという明確なコンセプトを持っていました。メンバーは全くの初心者から釣りを始め、その腕を磨いていきました。ライブやイベントといった一般的なアイドル活動に加え、釣りを極めることが活動の大きな柱であり、ファンとの釣りイベントなども積極的に開催していました。これは、アイドルとファンが共通の趣味を通じて交流を深めるユニークなスタイルとして注目されました。

グループ名の「つりビット」は、「釣り」と、小さな断片や最小単位を意味する「ビット」を組み合わせた造語です。同時に「釣り人」にも掛けられています。発音は「つ」にアクセントを置くのが正しいと、メンバー自身が説明していました。キャッチコピーは「いつか世界を釣り上げます」で、グループの大きな目標と意気込みを示しています。

釣りセンター制度

つりビットの活動の中で特筆すべきユニークな試みが「釣りセンター制度」です。これは、毎年10月10日（魚の日、釣りの日）に発売される配信シングル曲のセンターポジション（「釣りセンター」と呼ばれました）を、釣りの実地試験、筆記試験、年間の釣り活動への取り組み、そして一部期間にはファン投票といった様々な要素の総合評価で決定するというものです。歴代の釣りセンターは竹内夏紀、安藤咲桜、長谷川瑞（2年連続）が務めましたが、2018年以降はこの制度は廃止されました。

活動の歩み

2013年4月2日に公式サイトがオープンし、5月には配信シングル「スタートダッシュ!」でプレデビュー。同年5月24日に赤坂元気劇場でデビューライブを開催し、本格的に活動を開始しました。その後も精力的にシングルやアルバムをリリースし、全国各地でライブ活動を展開します。2014年6月には初のワンマンライブを表参道GROUNDで開催し、チケットが即完売するなど人気を集めました。山下達郎のカバー曲「踊ろよ、フィッシュ」をリリースしたことでも知られます。

メディア露出も多く、テレビのレギュラー番組やラジオ、ネット配信番組に出演。釣具メーカーのCMやNTT西日本のCMにも起用されました。雑誌媒体では、アイドル専門誌はもちろん、釣り雑誌や週刊誌、スポーツ新聞など幅広いジャンルに登場し、その独自性が注目されました。

著名人の間にもファンが多く、俳優の山田孝之氏やタレントの市川紗椰氏、ミュージシャンのマーティー・フリードマン氏などが公言しています。

解散、そして最後に

約6年にわたる活動は、2018年11月22日に発表された解散により、終焉を迎えることとなります。発表からラストライブまでの期間は「つりビット号最後の航海」と位置づけられました。そして、2019年3月24日、デビューライブを行った思い出の地である赤坂のマイナビBLITZ赤坂にて『つりビット ラストライブ～Sail Away～』を開催。満員の観客に見守られながら、グループはその歴史に幕を下ろしました。解散時のメンバーは、竹内夏紀、安藤咲桜、聞間彩、長谷川瑞、小西杏優の5名でした。

音楽と釣りを融合させた唯一無二のアイドルグループとして、つりビットは多くのファンに愛され、その活動は日本のアイドルシーンに独自の足跡を残しました。

解散時のメンバー
竹内夏紀
安藤咲桜
聞間彩
長谷川瑞
* 小西杏優

（メンバーは年齢順）

※本記事は、つりビットの公表情報に基づき、辞書項目として記述したものです。

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