つるかめ助産院

小川糸の小説『つるかめ助産院』について

『つるかめ助産院』は、小川糸による感動的な小説で、登場人物の心の葛藤や成長を描いています。この物語は、失踪した夫を追い求める主人公小野寺まりあの旅から始まります。彼女は夫との思い出が残る南の島を訪れ、そこでさまざまな人々と出会い、自身の妊娠と向き合うことになります。

あらすじ

まりあは、突然姿を消した夫の小野寺を探しに南の島へと旅します。彼女はその島で、妊娠していることを知り、助産院を開く鶴田亀子と出会います。亀子はまりあの抱える悩みに親身に寄り添い、ランチパーティーに誘います。そのパーティーをきっかけに、まりあは助産院での診察を受け、妊娠を告げられます。

南の島を日帰りの予定で訪れたまりあですが、悪天候により帰りの船が欠航となります。亀子の勧めで助産院に一泊することになりますが、その夜、住民の出産に立ち会うことになり、彼女の心に変化が訪れます。

数日後に本州に戻ることになったまりあは、亀子から渡された手紙を読みながら、再び島に戻りたいという気持ちが強くなります。そして、彼女は本州にある宿を引き払い、翌日の船で再び島に向かう決意をします。つるかめ助産院で出産をすることにしたまりあは、自身の成長と新たなスタートを迎えます。

登場人物

物語には多様なキャラクターが登場し、それぞれがまりあの人生に影響を与えていきます。

• - 小野寺まりあ: 失踪した夫を探す女性。妊娠して悩みながらも、自身の成長を遂げる。
• - 鶴田亀子: 助産師で、まりあを助ける母性的存在。彼女の助けでまりあは出産を決意する。
• - パクチー嬢: ベトナム出身の助産院の研修生で、独特の料理センスで知られる。
• - エミリー: 経験豊かな助産院のスタッフ。
• - サミー: 助産院のボランティアスタッフで、明るい性格が魅力的。
• - 艶子: 死産を経験し心に傷を負った女性で、まりあに大きな影響を与える。

また、物語にはまりあを支える人々、彼女の養家族である安西夫妻も登場し、彼女の過去が描かれます。安西夫妻は、まりあにとって大切な存在であり、彼女の心の支えとなっています。

テレビドラマ化

この物語は、2012年に『つるかめ助産院〜南の島から〜』というタイトルでNHKにてドラマ化されました。キャストには仲里依紗がまりあ役、余貴美子が亀子役を演じるなど、話題を呼びました。ドラマでは、原作のストーリーに基づいて、感動的なシーンが再現され、視聴者を魅了しました。

総括

『つるかめ助産院』は、物語が進む中でまりあが成長し、出産を通じて新たな一歩を踏み出す姿を描いた心温まる作品です。人々の温かい支えを受けながら、彼女は自分の道を歩むことを決意します。この小説は、愛と生命の美しさ、そして人と人とのつながりの大切さを改めて思い起こさせてくれる作品です。

もう一度検索