てなもんやボイジャーズ

『てなもんやボイジャーズ』

『てなもんやボイジャーズ』は1999年にリリースされた全4巻のOVAであり、ジャンルとしてはユニークな「SFヤクザコメディ」として知られています。この作品は、宇宙の彼方から地球に帰還を目指す女性たちの冒険を描いており、その中には東映の「実録シリーズ」のパロディが盛り込まれています。監督の新房昭之氏は、本作の続編が3本予定されていたことを明かしており、これらのシナリオも既に用意されていたことを示唆しています。しかし、最終話に至るまで彼女たちの地球への到達は叶うことなく物語は終息を迎えます。

あらすじ

物語は、女子の就職が極端に困難な時代、いわゆる超氷河期の中で展開します。主人公、花菱アヤコは教職を志望し、宇宙の遠く離れた高校に就職します。しかし、赴任してすぐにその学校が経営破綻し、閉校となってしまいます。その結果、アヤコは路頭に迷い、彼女と同じく地球からやって来た留学生・七宮若菜と共に、地球に戻る旅を決心します。この旅に、ヤクザ組織「邪王会」の元大幹部・星屑のパライラや、その舎弟の焼津のまあこも加わり、彼女たちの宇宙旅行は続きます。

登場キャラクター

• - 花菱アヤコ（声: 高橋美紀）

教師を目指し宇宙の高校に夢を抱いていましたが、閉校により失業してしまいます。彼女は若菜と共に地球への帰還を目指します。

• - 七宮若菜（声: 川上とも子）

スポーツ特待生として宇宙の学校に留学するも、同様に学校の閉校に直面し、アヤコらと共に地球を目指します。

• - 星屑のパライラ（声: 三田ゆう子）

過去にヤクザの大幹部であり、組織内での権力争いに敗れ、逃亡する形で不時着した学校でアヤコたちと出会います。彼女には地球で成し遂げるべき理由があります。

• - 焼津のまあこ（声: 大谷育江）

パライラの舎弟であり、食い逃げで捕まったところをアヤコたちに助けられます。

• - 横山タツエ（声: 土井美加）

地球から宇宙連邦警察に転職した刑事で、地球では暴力団に対して過激な取締りを行っていたことから世間からも注目されています。

スタッフ

本作の原作は月村了衛と「てなもんやプロジェクト」が手掛けており、監督は新房昭之が務めています。キャラクターデザインやメカニックデザインには、それぞれ石浜真史や鉄羅紀明、紺野直幸らが参加しています。音楽や音響にも注力が注がれ、非常に高水準の制作となっています。

音楽

主題歌には、宮川泰が作曲・編曲した「ゲバゲバ90分！のテーマ」がオープニングに使用され、水木一郎によるエンディングテーマ「だれかが風の中で」も人気を博しました。このように、音楽面も充実した内容となっています。

『てなもんやボイジャーズ』は、そのユニークなテーマと個性的なキャラクターが織り成すストーリーによって、視聴者に強烈な印象を残す作品と言えるでしょう。

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