ときめき (麻丘めぐみの曲)

ときめき (麻丘めぐみ)

「ときめき」は、アイドル歌手・麻丘めぐみが1974年1月15日に発表した、彼女にとって通算7枚目のシングルレコードです。この楽曲は、当時の日本の音楽シーンにおいて数々のヒット曲を生み出していたビクター音楽産業から発売されました。

本作は、作詞家・千家和也氏と作曲家・筒美京平氏という、当時の歌謡界を牽引した名コンビによって制作されました。両氏のタッグは、先行して大ヒットを記録した麻丘めぐみの代表曲「わたしの彼は左きき」に続くものであり、今回もその期待に応える楽曲となりました。このコンビは、麻丘めぐみ以外にも多くのアーティストに楽曲を提供しており、その時代ならではの瑞々しいメロディーと、若者の心情を描いた歌詞が特徴です。「ときめき」もまた、恋する乙女の揺れ動く心情を表現した歌詞と、軽快で覚えやすいメロディーが組み合わさった、当時の王道を行くアイドルポップスとして親しまれました。

シングルレコードには、表題曲である「ときめき」と、カップリング曲（B面）として「グッド・バイ」が収録されています。両曲とも作詞は千家和也氏、作曲は筒美京平氏が担当しています。表題曲「ときめき」の編曲は、作曲者自身である筒美京平氏が手掛けており、彼の音楽的なセンスがダイレクトに反映されたアレンジとなっています。一方、カップリング曲「グッド・バイ」の編曲は、穂口雄右氏が担当しました。穂口氏は、同時期に活躍していた多くのアイドルやニューミュージック系のアーティストの楽曲アレンジを手掛けており、この楽曲にも彼の個性的なサウンドが加えられています。

この楽曲は、発売から長い年月が経った現在でも、麻丘めぐみの代表曲の一つとして記憶されています。後年に発売されたベストアルバムやボックスセットにも多数収録されており、ファンにとっては欠かせない一曲となっています。例えば、「麻丘めぐみBOX 72-77」や「GOLDEN☆BEST 麻丘めぐみ」といった企画盤に収められています。

また、「ときめき」は他のアーティストによってカバーされるなど、世代を超えて歌い継がれています。特に有名なものとしては、1991年に歌手・高橋由美子によってカバーされたバージョンが挙げられます。高橋由美子は、この楽曲を「と♥き★め♥き」というタイトルでシングルとしてリリースしました。このカバーシングルのカップリングには、同じく麻丘めぐみのヒット曲である「アルプスの少女」のカバーが収録されており、当時の若い世代に再び麻丘めぐみの楽曲を知らしめるきっかけの一つとなりました。

「ときめき」が発表された1974年は、日本の音楽シーンにおいて様々なジャンルの楽曲が生まれ、活気に満ちた時代でした。アイドル歌謡もその中で重要な位置を占めており、「ときめき」は当時のアイドルポップスの一例として、その時代の空気感を伝える楽曲とも言えるでしょう。このように、「ときめき」は単なる一曲にとどまらず、日本のアイドル歌謡史における一つのエポックを示す楽曲として、今もなお多くの人々に愛されています。

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