とよのか

とよのかの概要

とよのかは、ホスト名をいちご農林15号として持つ日本のイチゴ品種です。この品種は、西日本を代表するイチゴであり、かつては東日本の「女峰」と並んで称えられ、「東の横綱」「西の横綱」とも言われました。特に大粒の円錐形が特徴的な果実は、鮮やかな赤色をしており、光沢があります。とよのかは、その香りの良さと甘さの向上が見込まれていますが、わずかな酸味も持ち合わせており、甘味と酸味の絶妙なバランスが魅力です。また、日持ちが良いため、流通においても非常に重宝されています。

栽培と流通

この品種は、日本国内だけでなく、オーストラリアのタスマニア州でも栽培されています。これにより、日本では一般的にイチゴが収穫される冬から春にかけてだけでなく、夏季にもタスマニア産のとよのかが市場に出回ることが可能です。タスマニア産は、日本産に負けない風味と見た目を持っており、特に洋菓子の材料として非常に人気があります。

交配の歴史

とよのかは、1983年に農林省野菜試験場久留米支場（現在の九州沖縄農業研究センター）で品種改良が行われ、育成されたものであり、「ひみこ」(久留米36号)を親として、さらに「はるのか」を花粉親に用いて交配されています。このように、農業研究の現場から生まれたとよのかは、他のイチゴ品種の父親としても知られ、特に「あまおう」や「さちのか」といった後続の品種にも大きな影響を与えています。

病害との関係

とよのかが登場する以前は、「宝交早生」が日本における主流のイチゴ品種でした。しかし、女峰やこのとよのかは炭そ病に対して罹病性を持っており、この病気がイチゴ栽培における重要な問題として広く認識されるようになりました。これにより、農業界では病害に強い品種の選定が重要視されるようになったのです。

結論

とよのかは、その味わいの良さや日持ちの良さから、日本国内外で愛されているイチゴ品種です。また、過去の名品に触発され、新たな品種へと繋がる重要な役割を果たしていると言えます。今後も、より多くの人々にその魅力が伝わり、消費されていくことでしょう。

もう一度検索