とれいゆ つばさ

とれいゆ つばさの概要と運行について

「とれいゆ つばさ」は、かつて東日本旅客鉄道（JR東日本）が運行していた特別急行列車で、福島駅と新庄駅を結ぶ観光列車です。山形新幹線の一部として、利用者に地域の魅力を伝える役割を果たしていました。その名称は、「トレイン」（列車）と「ソレイユ」（太陽）を組み合わせた造語で、明るいイメージを持たせています。この列車は、2015年の山形デスティネーションキャンペーンに合わせて導入され、新幹線としては初めての観光列車となりました。

運行は1日1往復と設定されており、平日の朝10時に福島駅を出発し、15時台には新庄駅へ向かう運行が行われていました。しかし、2022年3月に車両の老朽化が理由で運行終了が発表されました。最終運行日は3月6日であり、以降は旅行商品専用列車としての運行が続けられましたが、東北新幹線の不通によって、事実上のラストランは3月27日の「ありがとう とれいゆ つばさフィナーレ号」となりました。

停車駅と運行ルート

「とれいゆ つばさ」は、以下の停車駅を有しており、山形新幹線に設置されている全駅に停車する特徴があります。福島駅から出発し、米沢駅、高畠駅、赤湯駅、かみのやま温泉駅、山形駅、天童駅、さくらんぼ東根駅、村山駅、大石田駅を経由し、新庄駅に至ります。

車両とデザイン

使用される車両は、E3系700番台の「とれいゆ」で、月山をイメージした緑色や最上川をモチーフとした青色、蔵王をイメージする白色が全体に施されています。この特別なデザインは、著名なデザイナー奥山清行によって担当されました。

車両は6両編成で、11〜14号車が普通車指定席、15号車には「湯上りラウンジ」、16号車には「くつろぎの間」という足湯が設けられています。特に15号車では、山形の名産品の展示やバーカウンターがあり、乗客にリラックスした空間を提供しています。16号車の足湯は利用条件があり、旅行商品を利用するお客のみが利用できる特別なエリアとなっています。

リニューアルとサービス向上

2019年には車両のリニューアルが行われ、車内のインテリアやサービスが改善されました。多言語案内パネルの設置や、座布団のデザイン変更、携帯電話の充電コーナーの設置など、利用者の利便性を向上させるための工夫が随所に見られます。また、フリーWi-Fiサービスも提供され、より快適な旅行体験を実現しています。

団体列車としての運用

2017年には、団体専用列車としての運用も行われました。上野駅から山形駅間での運行が初めて行われ、以降も臨時列車としての運行実績があります。これにより、観光客の利便性がさらに向上し、多くの人々に利用されてきました。

「とれいゆ つばさ」は、その魅力豊かな運行やデザイン、サービスによって、多くの乗客に愛されてきた観光列車でした。今後もその影響を受けながら、新たな観光列車が誕生し、地域の振興に寄与することを期待しています。

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