とんがり帽子のアトリエ

『とんがり帽子のアトリエ』は、白浜鴎による日本の漫画作品。講談社の『月刊モーニングtwo』にて2016年9月号から連載が開始され、魔法使いに憧れる少女・ココを主人公としたファンタジー作品として人気を博しています。

2024年7月時点で、全世界での発行部数は550万部を突破。フランスやスペイン、韓国など、様々な国で漫画賞を受賞しており、2020年にはアメリカのアイズナー賞最優秀アジア作品賞、ハーベイ賞Best Manga賞を受賞するなど、国際的にも高い評価を受けています。

2022年4月にはアニメ化が発表され、2024年7月には2025年からのテレビアニメ放送開始が決定。ますます注目を集めています。また、2019年11月からは佐藤宏海によるスピンオフ作品『とんがり帽子のキッチン』も連載されており、本編とは異なる視点から作品世界を楽しむことができます。

あらすじ

物語の舞台は、魔法が人々の生活に溶け込んだ世界。小さな村に住む少女・ココは、幼い頃から魔法使いに憧れていましたが、魔法使いは生まれつき魔法の力を持つ者しかなれないとされていました。そのため、ココは諦めて母親の仕立て屋を手伝う日々を送っていました。

しかしある日、仕立て屋に訪れた客の魔法の馬車が故障し、居合わせた魔法使いのキーフリーが修理することに。ココはキーフリーが魔法陣を描く様子を目撃し、幼い頃に祭りで購入した「魔法の絵本」こそが魔法陣の教本であり、付属のペンとインクが魔法陣を描くためのものだと気づきます。

その夜、ココはこっそり絵本の魔法陣を書き写しますが、その魔法陣が発動し、母親が家ごと石化してしまうという悲劇に見舞われます。責任を感じたキーフリーは、ココに絵本を売った人物を追うため、そして母親を救うため、ココの記憶を消さずに弟子として迎え入れることを決意。こうして、ココはキーフリーのアトリエで魔法使いになるための修行を始めることになります。彼女の目標は、失われた「魔法の絵本」の複製が所蔵されている「図書の塔」への入塔資格を得ることです。

世界観

この世界では、魔法は「世界を豊かにする便利な奇跡」として人々に認識されています。表向きは魔法の力を持つ者だけが使えるとされていますが、実際には「魔墨」と呼ばれる特殊なインクを用いて、法則に従った「魔法陣」を描けば誰でも魔法を使うことができます。しかし、この事実は魔法使いではない一般の人々には伏せられており、魔法使いは彼らを「知らざる者」と呼んでいます。

過去に魔法使いが災いをもたらした歴史から、魔法には様々な禁忌や制約が存在し、これらを守る魔法使いはつばのない「とんがり帽子」を被ります。一方、制約を無視する魔法使いは、旧時代の魔法使いの象徴である「つばあり帽」を被っています。

魔法使いの多くは大講堂やその麓の町に住んでいますが、離れた場所に住む場合は「見張りの眼（まなこ）」と呼ばれる魔法使いによる監視が義務付けられています。

登場人物

ココ: 本作の主人公。普通の少女でしたが、母親を石化させてしまったことをきっかけに魔法使いの道へ。
キーフリー: ココの師匠である魔法使い。地方にアトリエを構え、弟子たちと暮らしています。
アガット: キーフリーの弟子で、ココのルームメイト。プライドが高く真面目な性格です。
テティア: キーフリーの弟子。天真爛漫で明るい少女。
リチェリット: キーフリーの弟子。無口で我が強い性格。
オルーギオ: キーフリーの親友で、「見張りの眼」の魔法使い。アトリエで魔法器を制作しています。

メディア展開

漫画: 『月刊モーニングtwo』にて連載中。
スピンオフ: 『とんがり帽子のキッチン』が連載中。
* テレビアニメ: 2025年より放送開始予定。

『とんがり帽子のアトリエ』は、魔法というファンタジー要素を軸に、少女の成長、社会的なテーマ、そして魔法世界の奥深さを描いた作品です。アニメ化を控え、ますます注目が集まる本作から目が離せません。

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