どこまでアバンチュール/ケアレス・ウィスパー

1984年11月10日、郷ひろみは52枚目のシングル「どこまでアバンチュール/ケアレス・ウィスパー」をリリースしました。このシングルは、オリジナリティあふれる楽曲と、世界的に有名な楽曲のカバーが収録された、両A面シングルという構成になっています。

表題曲の一つである「どこまでアバンチュール」は、郷ひろみ自身による作曲作品です。作詞は、郷ひろみのペンネームの一つである「ヘンリー浜口」名義でクレジットされています。この楽曲は、郷ひろみ自身の音楽性と表現力を存分に見せる、力強いナンバーとなっています。

もう一つの表題曲「ケアレス・ウィスパー」は、当時世界中で大ヒットしていたWham!のGeorge Michaelによる名曲「Careless Whisper」のカバーです。この曲は、すでに西城秀樹が「抱きしめてジルバ -Careless Whisper-」としてカバーしており、大きな人気を博していました。そのため、郷ひろみの「ケアレス・ウィスパー」発売に際しては、フジテレビ系の音楽番組『夜のヒットスタジオ』において、西城秀樹との「同一曲のカバー対決」が企画されるという、異例の展開となりました。この対決は、当時大きな話題を呼び、両者の歌唱力の高さ、そして楽曲の魅力を改めて世に知らしめることとなりました。

両楽曲とも編曲は大村雅朗が担当しており、洗練されたサウンドプロダクションによって、それぞれの楽曲の魅力が最大限に引き出されています。
「どこまでアバンチュール」は、5分8秒という長さを持つ、聴き応えのある楽曲です。「ケアレス・ウィスパー」の日本語詞も、ヘンリー浜口が担当し、オリジナルの雰囲気を損なうことなく、日本語の美しさも兼ね備えた歌詞に仕上がっています。

「どこまでアバンチュール/ケアレス・ウィスパー」は、郷ひろみの音楽性と、当時の音楽シーンのトレンドを反映した、非常に興味深い作品と言えます。自身の作曲、そして人気海外楽曲のカバーという、異なるアプローチによって制作された両A面シングルは、郷ひろみのアーティストとしての幅広さを示す、代表的な作品の一つとして、現在も高い評価を受けています。当時を知る世代には懐かしさ、そして若い世代には新鮮な驚きと魅力を提供する、まさに時代を超えた名盤と言えるでしょう。

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