どろろ梵
漫画『どろろ梵』の概要
『どろろ梵』（どろろぼん）は、手塚治虫による原作を基に、道家大輔が作画した日本の漫画作品です。この漫画は『ヤングチャンピオン』に2007年の第12号から2009年の第5号までの間連載され、全38話が収められています。本作の特徴的な点は、各話に与えられたサブタイトルが漢字四文字で構成されていることです。
ストーリーの背景
本作は、手塚治虫の名作『どろろ』を基盤にしながら、オリジナルな要素が色濃く反映された作品です。物語は現代の日本を舞台にしており、前世で男性だった百鬼丸が女性として生まれ変わり、またどろろは妖怪として存在しています。妖怪の存在を認知できる人間が少なくなっている現代では、二人は新たな旅を始めることになります。
あらすじ
物語は、どろろと百鬼丸が別れてから5年後から始まります。百鬼丸は、自らの肉体を取り戻すために旅を続けていましたが、ある橋の上で女の妖怪と遭遇します。彼女と戦おうとした際に、何とその妖怪がどろろであることに気がつきます。動揺した百鬼丸は、一瞬の隙を突かれ、どろろに致命傷を与えられます。その場面で、彼は「いつか必ずおまえを殺しに行く」と宣言し、自ら命を絶つのでした。
時は流れ、百鬼丸は500年後の現代に生まれ変わり、再び身体を取り戻すため、そしてどろろとの因縁を断つために旅を再続します。
登場人物
醍醐 百鬼丸（だいご ひゃっきまる）
百鬼丸は、前世から500年後に生まれ変わった女性です。彼女は生まれたときから身体の一部が欠損しており、それは前世で取り戻せなかった右目、右腕、左足の3カ所です。髪は長く束ねられており、身体にはタトゥーが施されています。妖怪を認識する力を持ち、義足に仕込んだ刀で妖怪と戦います。
梵（ぼん）
中学生の女の子で、飼い猫の怨念によって妖怪化したキャラクターです。彼女は人外の存在を感じられるようになり、百鬼丸に興味を抱くようになりました。
けんじ
植物の声が聞ける男の子で、梵に惚れていますが、現実離れした出来事に困惑します。
どろろ / 鎌鼬（かまいたち）
百鬼丸の左足を持つ妖怪で、前世のどろろと妖怪化した鎌鼬が融合した存在です。
妖怪たち
この物語に登場する妖怪たちはそれぞれ「怨み」によって生きる存在であり、彼らの力は怨みの浄化によって奪われていくのが特徴です。
枕がえし（まくらがえし）
百鬼丸の右目を持つ妖怪で、現実を夢に摩り替える力を持っています。
赤目（あかめ）
百鬼丸の右腕を持つ妖怪で、人間を好きになりかけるが、怨みにかられます。
書誌情報
本作は道家大輔によって制作され、秋田書店の「ヤングチャンピオンコミックス」より全4巻が発売されています。
この作品は、古典的な物語を現代に再構築しており、キャラクターたちの成長や人間の暗い部分、妖怪との関わりを深く探求しています。読者は、百鬼丸とどろろの運命的な絆と、現代社会における妖怪の存在意義を通じて、様々な思考を巡らせることでしょう。
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