どんと祭

どんと祭の概要

どんと祭（どんとさい）は宮城県を中心に行われる、正月の飾りを焼く伝統的な祭りです。この祭りは、無病息災や家内安全を祈る目的で、神社の境内で正月飾りを燃やし、その炎にあたることで一年の健康を願います。

この行事は特に仙台市の大崎八幡宮で盛大に行われており、同神社の「松焚祭（まつたきまつり）」は県内で最大の規模を誇ります。どんと祭の起源は不明ですが、1849年（嘉永2年）にはすでに恒例行事として定着していたことがわかっています。1880年ごろまでは、主に大崎八幡宮特有の行事とされていました。

「どんと祭」という名称は、河北新報の1906年1月14日の記事に由来しています。この中で、九州地方の類似行事との関連が論じられていたことから、地元の名称として定着したと考えられています。また、観光化が進む中で地域の人々がこの名称を使用するようになり、他の地域にも伝わったのは、高度経済成長期以降のことです。

実施日と地域の違い

どんと祭は宮城県内の多くの地域で小[[正月]]の前日の1月14日に行われます。しかし、岩手県の盛岡八幡宮では1月15日に行われており、福島県の西根神社では「うそかえ祭」と結びついて数日間にわたり開催されます。また、宮城県の石巻市では1月7日に行われ、この地域では1970年代に松の内を短縮する動きがあったことが影響しています。

裸参りの習慣

どんと祭では、多くの参拝者が裸参りを行います。宮城県内の裸参りは、大崎八幡宮を起源に、同様の装束や方式で実施されます。特に、登米市や角田市では独自のスタイルを持っており、それぞれの地域の伝統が感じられます。このように、裸参りは神社だけでなく、寺でも行われることがあり、特に神仏混交の中山鳥瀧不動尊などでも見られます。

祭りの特徴と参加者の動向

大崎八幡宮で行われる松焚祭は、約300年の歴史があり、2005年には仙台市の無形民俗文化財に指定されています。この祭りには毎年約10万人の人々が集まります。交通規制が敷かれるため、特別運行のバスが運行され、参加者や見物客で賑わいます。

しかし、都市化の影響や参拝スタイルの変化により、かつて20万人程度だった参拝客数は減少してきています。この状態は、成人の日が変更されたことや、他の神社のどんと祭に参拝者が流れるようになったことが原因とされています。

裸参りの装束と健康管理

裸参りは、一部の参加者が氷水で身を清め、特有の装束を着用して行います。健康を考慮し、参加団体では事前に健康診断を行うこともあります。男女ともに特別な規定があり、女性には暖かい羽織り物が許可されています。毎年、100団体前後が参加し、多くの地元住民がこの祭りに関与します。

このように、どんと祭は単なる行事にとどまらず、地域の文化や伝統の一部として深く根付いています。

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