ないとバード

コミック『ないとバード』の世界

『ないとバード』は、日本の漫画家・里見桂によって創作された作品で、1985年から1986年にかけて『週刊少年サンデー』で連載されました。この作品は、全7巻の単行本として小学館から刊行され、その後も様々な形で読者に親しまれています。

物語の背景

物語の中心には、謎の多い怪盗・ナイトバードがいます。彼は最先端の技術を駆使し、大都会の夜を駆け抜ける怪盗として、人々と心の絆を結びながら数々の犯罪を行っていきます。物語は、彼が反派たちとの戦いを続ける中で、自身の過去に隠された秘密に迫る様子を描写しています。

ナイトバードの本名は、物語が進むにつれて明かされ、名前は柏木翔であることが判明します。彼の過去には、彼を育てた両親の柏木博士と高原博士が冷戦時代にそれぞれの陣営から選ばれ、彼と他の6人に超人的な能力を授け、記憶を消去したという複雑な背景があります。これは、冷戦が引き起こす恐怖を未然に防ぐための壮大な計画の一環でした。

登場人物の紹介

ナイトバードは、かつて「怪盗26号」と呼ばれていた経歴を持ちますが、ある日、弱った少年を助けるために血液を盗むという行動が彼の転機となります。この出来事をきっかけに、彼は「ナイトバード」という名で呼ばれるようになりました。彼が使用するハイテク機器は全て自らの手で作り上げたもので、優秀な技術者としての顔も持っています。

彼のパートナーであるミン（本名：眠 麻夜）は、催眠術を使う美しい女怪盗です。バードとの出会いをきっかけに、彼に好意を寄せるようになりますが、高所恐怖症という一面も併せ持ちます。物語の中で、彼女の成長や二人の関係も描かれます。

また、物語には警視庁の特捜課に所属する刑事・闇雲も登場します。彼はナイトバードを長年追い続ける存在として、その存在感を示します。さらに、バードが忍び込んだ工場で見張りを務めていた少女・速見麗香は、特殊な装置を通じて高い戦闘技術を持ち、その姿はまるで兵士のようです。

物語のクライマックス

物語の後半では、ナイトバードの実の妹である柏木里緒が登場します。彼女もまた、自身に授けられた超人的な能力を持っており、兄に対して世界征服を持ちかけることで物語の緊張感を高めます。しかし、その選択がもたらす結果は、思いもよらない方向へ進展していきます。

ナイトバードは、自らの過去や家族との関係を巡って葛藤しながら、最終的には妹と対峙する選択をすることになります。この展開がナイトバードの成長を促し、彼の運命を大きく変えることになります。

結論

『ないとバード』は、ただの怪盗ものの漫画ではなく、運命と選択、そして人間の心の弱さと強さを描いた深い物語に仕上がっています。登場人物たちがどのように成長し、互いの絆を深めるのか、そして彼らがどのように運命に対応していくのかが、本作の魅力の一つです。

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