ながたんと青と-いちかの料理帖-

作品概要

『ながたんと青と-いちかの料理帖-』は、磯谷友紀による日本の漫画で、2017年12月号から『Kiss』（講談社）で連載が始まりました。舞台は戦後の京都、特に東山の老舗料亭を中心に展開される恋愛と料理の物語です。2024年2月時点で、累計部数は135万部を越えており、その人気はますます高まっています。

この作品は年の差婚を主題としながらも、料理のレシピや作り方が随所に挿入されており、料理漫画としての要素も兼ね備えています。物語の美麗な背景や人間関係の繊細な描写は、「まるで朝ドラのようだ」との評価を得ることが多く、その魅力が多くの読者を惹きつけています。2021年10月には、連載誌の創刊30周年を記念して音楽グループBE：FIRSTとのコラボレーション企画も行われ、さらなる注目を集めました。

あらすじ

物語は1951年、戦後の京都を舞台に始まります。老舗料亭「桑乃木」の長女、桑乃木いち日（34歳）は、戦争によって前の旦那を失い、実家を離れ近くのホテルで料理人として働いています。そんな折に、妹ふた葉のために立てられた縁談が持ち上がりますが、実際に現れたのは兄弟の中で次男ではなく三男の山口周（19歳）でした。周は高校生で青臭い考え方を持ち、いち日との見合いは一触即発の雰囲気で始まります。

しかし、運命に導かれるように、いち日と周は結婚することになります。お互い好きな人がいるものの、条件付きでの結婚生活が始まります。この年の差のある夫婦の物語は、少しずつ惹かれ合う様子が描かれ、特に「結婚してから恋愛に発展する過程」が多くの読者に共感を呼んでいます。

登場人物

• - 桑乃木いち日（くわのき いちか）: 主人公であり、料理人としての腕前は確かですが、女性が料理をすることに引け目を感じています。
• - 山口周（やまぐち あまね）: いち日の夫。野心を持ち、改革を目指して周囲と対立する若者です。
• - 戸川: 料理長で、周とは対立することが多い。
• - 桑乃木ふた葉: いち日の妹。周との見合い後、別の道を選んでしまいます。
• - 丸川町子: いち日の伯母で、周との結婚を強引に進める存在です。

作風と制作背景

ドラマ監督の松本壮史はこの作品を「理不尽な時代の中で未来を切り開いていく2人の物語」と称えています。また、いち日役の門脇麦は、「料理が温かく美味しそうに描かれている」と評価しています。フィクションとしてのリアリティと魅力を持ちながら、読者には親しみやすさも感じさせる作品です。

磯谷友紀は、本作を「自分の好きな要素を結集して描いた」と話しており、実際に京都の料亭を取材することで、作品のリアリティを高めています。料理に関しても、専門の料理人による指導を受けつつ、昭和中期と現代の融合を意識したレシピを展開しています。

テレビドラマ化

本作は2023年3月からWOWOWでテレビドラマ化され、主演は門脇麦が務めました。原作に則り、京都で撮影が行われ、視聴者に新たな視点から物語を楽しませています。主要キャストには、いち日役の門脇をはじめ、周役の作間龍斗などが名を連ね、見応えのあるドラマとなっています。

物語は現在も連載が続いており、今後の展開にも期待が寄せられています。

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