なぜなら やさしいまちが あったから

中山美穂の18年ぶりのエッセイ集『なぜなら やさしいまちが あったから』は、2009年5月8日、集英社から発売されました。

本書は、2007年から集英社の女性誌『LEE』に連載されていたエッセイをまとめたものに加え、書き下ろし作品も収録されています。B6判、232ページというボリュームで、中山美穂の飾らない言葉と、彼女の人となり、そして優しいまなざしが感じられる一冊となっています。

1991年発売の『P.S. I LOVE YOU』以来となるエッセイ集の出版は、多くのファンにとって待ち望まれた出来事だったと言えるでしょう。18年の時を経て届けられた本書は、これまでの彼女の人生経験や、日々の暮らしの中で感じていること、そして大切にしている想いが丁寧に綴られています。

読み進めていくうちに、彼女の温かい人柄や、何事にも真摯に向き合う姿勢、そして周りの人々への深い愛情が伝わってきます。エッセイのテーマは多岐に渡り、日常の些細な出来事から、人生における大きな出来事まで、様々な視点から語られています。

それぞれのエッセイは、まるで彼女と語り合っているかのような親密さで、読者の心に自然と寄り添ってきます。まるで、彼女の日常に招き入れられ、一緒に時間を過ごしているような、そんな感覚を覚えるかもしれません。

また、本書の構成も、読みやすさを考慮した工夫が凝らされています。全体を通して、穏やかな語り口調で綴られており、彼女の優しい気持ちが文章全体に滲み出ています。ページをめくるごとに、心温まるエピソードや、考えさせられる言葉に出会うことができるでしょう。

初版3万部という発行部数からも、本書への期待の高さがうかがえます。そして、楽天のブックランキングで最高8位を記録するなど、発売後も高い人気を博しました。これは、中山美穂という女優、そして一人の女性への強い関心と、彼女の言葉に共感する読者が多いことの証と言えるでしょう。

『なぜなら やさしいまちが あったから』は、単なるエッセイ集としてだけでなく、中山美穂という人物を知るための貴重な資料、そして日々の生活に疲れた心を癒してくれる一冊と言えるでしょう。彼女の人間味あふれる言葉の数々は、きっと読者の心に深く響き、温かい気持ちを与えてくれることでしょう。

本書を通して、読者は中山美穂の飾らない姿、そして彼女が紡ぎ出す言葉の持つ力強さと優しさに触れることができるはずです。18年の時を経て届けられたこのエッセイ集は、長く読まれ続けるであろう、大切な一冊となることでしょう。

もう一度検索