なんてったって!!ベースボール

『なんてったって!!ベースボール』は、1990年10月26日にサン電子から発売されたファミリーコンピュータ用の野球ゲームです。当時としては珍しいダブルカセットシステムを採用し、話題を呼びました。

ゲーム概要

本作は、基本的な操作感は当時のオーソドックスな野球ゲームを踏襲しつつも、他にはない特徴的なシステムを搭載していました。それが、別売りの「選手データ」を収録した小型カセットを本体に装着することで、常に最新の選手データでゲームを楽しめるという「ダブルカセットシステム」です。これにより、プレイヤーは常に最新のデータでゲームをプレイできるという、画期的なセールスポイントがありました。

登場球団は、当時のプロ野球12球団をモチーフとした12チームに加え、本作オリジナルの4チームを加えた全16チーム。使用球場は、実在の球場をモチーフにした4球場です。対戦モードの他に、トレーニングモード、守備陣形の変更、ストライク数やコールド点数のルール変更、デーゲーム・ナイター選択、乱闘シーン、ファインプレーなど、多彩な要素が盛り込まれています。試合での実績に応じて選手の能力がアップしたり、収益金でアイテムを購入したり、特殊能力を使用したりすることも可能です。ゲームバランスは全体的に打高投低となっています。

ゲームモード

VSモード: 16球団全てを使用して対戦できる、オーソドックスな対戦モードです。
ペナントレース: 12球団から1チームを選び、30、60、90、130試合から試合数を選択してペナントレースを戦います。優勝すると日本シリーズに進出し、日本一になると隠しチーム「SSチーム」が出現。SSチームに勝利するとエンディングを迎えます。
チームエディット: チーム名や選手名を自由にエディットし、自分好みのオリジナルチームを作成できます。
イベント: 勝ち抜き戦、ホームラン競争、ウォッチモードといったミニゲーム的なイベントを楽しめます。

ダブルカセットシステム

本作最大の特徴であり、セールスポイントでもあったのが、親ガメ＆小ガメカセットによる「ダブルカセットシステム」です。ゲームの基本となるプログラムが収録された親ガメカセットに、別売りの選手データが収録された小ガメカセットを装着することで、常に最新の選手データでゲームをプレイすることが可能になります。

メーカーは「半永久的に最新データで遊べる」と謳っていましたが、実際に発売された小ガメカセットは「OBオールスター」と「'91開幕版」の2本のみでした。親ガメカセットの背面に小ガメカセットを差し込むスロットがあり、そこに小ガメカセットを装着してプレイします。ただし、親ガメカセットに小ガメカセットを抜き差しするとセーブデータが消去されるという注意点がありました。

この親ガメ・子ガメシステムは、当時メーカー側が現在よりも強く警戒していた中古販売への対策という側面もあったようです。

スタッフ

音楽：小高直樹
キャラクターデザイン：岩田義明
ゲームデザイン：岩田義明
アートデザイン：岩田義明
サウンド：諸田直久
コード：さだけんじ

評価

ゲーム雑誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計21点（満40点）、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では18.32点（満30点）という評価を得ています。同誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「従来の12球団に加え、パロディ2球団、自分で作るオリジナル1球団の15球団。球場4つ、応援歌ありと内容充実」と紹介されています。

外部リンク

* Nantettatte!! Baseball（英語） - MobyGames

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