なんでだろう 〜こち亀バージョン〜

なんでだろう 〜こち亀バージョン〜

2003年2月5日、ポニーキャニオンよりリリースされたシングル「なんでだろう 〜こち亀バージョン〜」は、お笑いコンビ、テツandトモにとって初のCD作品として世に送り出されました。当時、彼らの代名詞とも言える持ちネタ「なんでだろう」が全国的なブームを巻き起こす中で発表された本作は、その勢いを音楽の世界へと繋げる重要な役割を果たしました。

概要

このシングルは、テツandトモが音楽アーティストとしての一歩を踏み出した記念碑的作品です。特に注目すべきは、フジテレビ系列で放送されていた人気アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のエンディングテーマとして採用された点です。彼らの十八番である「なんでだろう」のメロディに乗せて、『こち亀』の主人公である両津勘吉をはじめ、個性豊かな登場人物や物語の舞台設定に合わせたオリジナルの歌詞が展開され、アニメファンからも大きな支持を得ました。このタイアップにより、楽曲のみならず、テツandトモ自身の認知度もさらに高まることとなりました。

また、本作はCD-EXTRA仕様となっており、通常の音楽CDとして再生できるだけでなく、対応するパソコンで読み込むことで特別なコンテンツを楽しむことができました。具体的には、「なんでだろう 〜両さんバージョン〜」と題された動画クリップがWMVファイル形式で収録されており、Windows Media Playerなどのソフトウェアを介して視聴することが可能です。これは、当時のCDメディアにおける付加価値を高める試みの一つであり、ファンにとっては嬉しい特典となりました。

表題曲の「なんでだろう 〜こち亀バージョン〜」はもちろんのこと、カップリングには彼らの他の代表的な持ち芸を楽曲化したものも収録されており、テツandトモのエンターテイメント性を多角的に味わえる一枚となっています。

収録曲

シングルには、全6トラックが収録されています。作詞はテツandトモが担当し、作曲及び一部楽曲の編曲はトモ氏が手掛けています。

1. なんでだろう 〜こち亀バージョン〜 [4:16]
編曲：三沢またろう
アニメ『こち亀』のエンディングテーマとして使用された、本作の表題曲です。三沢またろう氏による編曲が施されています。

2. なんでだろう [3:45]
編曲：トモ
彼らのネタとして広く知られる、いわゆるオリジナル版に近い楽曲です。シンプルながらも耳に残るメロディが特徴です。

3. 必ずいるんだよね [1:43]
編曲：トモ
テツandトモの別の持ちネタを楽曲化したコメディソング。日常のあるあるネタを切り取った短いながらもインパクトのある楽曲です。

4. ちょっとだけはずかしいの [3:08]
編曲：トモ
これも彼らのパフォーマンスでお馴染みのネタを楽曲として昇華させたもの。少し照れくさい状況をコミカルに歌い上げています。

5. なんでだろう 〜両さんバージョン〜 [1:24]
編曲：三沢またろう
CD-EXTRAに収録された動画クリップで使用されたと思われる、短いバージョン。よりコンパクトに楽曲の魅力を凝縮しています。

6. なんでだろう 〜こち亀バージョン〜（インストゥルメンタル） [4:16]
編曲：三沢またろう
表題曲のボーカルなしバージョン。楽曲のメロディラインやアレンジを純粋に楽しむことができます。

収録アルバム

本シングルに収録された楽曲の一部は、その後のコンピレーション盤やサウンドトラックなどにも収められています。

『こち亀百歌選～主題歌ベストコレクション～』 （2003年3月19日発売）
「なんでだろう 〜こち亀バージョン〜」が収録されています。

『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 2』サウンドトラック （2003年12月17日発売）
「なんでだろう 〜両津＆本田バージョン〜」が収録されています。これはシングル収録曲とは異なるバージョンのようです。

* 『輝け!週刊少年アニメ王・増刊号』 （2005年10月19日発売）
オムニバス盤として、テツandトモの「なんでだろう」が収録されています。

このシングルは、テツandトモの音楽活動の出発点であるとともに、彼らとお茶の間を繋ぐ重要な作品となりました。人気アニメとのタッグにより、多くの人々に「なんでだろう」というフレーズとメロディが深く刻み込まれることとなった、記憶に残る一枚です。

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