にせんねんもんだい

にせんねんもんだい (nisennenmondai)

1999年に日本の地で産声を上げた、3人の女性からなるノイズバンド、それが「にせんねんもんだい」である。その個性的なバンド名は、当時広く懸念されていたコンピューターの「2000年問題」に由来しており、バンドの誕生した時代背景を色濃く反映している。

結成と活動の軌跡

バンドは1999年の結成以来、精力的な活動を展開してきた。初期の重要なマイルストーンとして、2004年には自主制作CD『それで想像する ねじ』を発表し、その名をインディーズシーンに知らしめた。その後、自らの音楽を世に送り出すためのプラットフォームとして、自主制作レーベル「美人レコード」を設立。このレーベルからは、『とり』(2005年)、『ろくおん』(2006年)といった作品がコンスタントにリリースされ、バンドの独創的なサウンドを確立していった。

音楽性と評価

「にせんねんもんだい」の音楽は、一貫してインストゥルメンタルのスタイルを貫き、ボーカルを持たない。その音楽性は、ノイズ・ミュージックという枠組みで語られることが多いが、単なるノイズに留まらない独特のリズム感と構築美を持つ。そのサウンドは「粗削りでありながらもダンサブル」、「がっしりと骨組みを組んだ強靭な音」と評されることが多く、反復するフレーズの中に潜むグルーヴや、予測不能な音の展開が聴く者を惹きつける。彼女たちの生み出す音は、聴覚だけでなく、身体全体に訴えかけるような物理的な響きを持っているのが特徴である。

国際的な活動

日本国内に留まらず、「にせんねんもんだい」の活動は海外にも及ぶ。アメリカのレーベルからも、初期ミニアルバムをまとめた作品がリリースされるなど、早い段階から海外での注目を集めていた。これを機に、彼女たちはアメリカやヨーロッパでのツアーを敢行し、現地の音楽ファンやメディアから高い評価を獲得。そのユニークなライブパフォーマンスは、国内外で多くのオーディエンスに衝撃を与え、国際的な評価を確固たるものとした。

メンバー

「にせんねんもんだい」を構成するのは、以下の3人のメンバーである。

高田 正子（たかだ まさこ）- ギター
在川 百合（ざいかわ ゆり） - ベース
姫野 さやか（ひめの さやか）- ドラムス

このスリーピース編成が生み出す、研ぎ澄まされたインタープレイと圧倒的な音圧が、バンドのサウンドの根幹を成している。

ディスコグラフィ

以下に、「にせんねんもんだい」がこれまでに発表してきた代表的な作品の一部を記す。

それで想像する ねじ（2004年）
自主制作第一弾CD。
収録曲: Pop Group／This Heat／2534／Sonic Youth／Ikkyokume (Neji Version)
とり（2005年）
美人レコードよりリリース。
収録曲: Kyuukohan／Kyaaaaaaa／Ikkyokume／Iyashi
ろくおん（2006年）
収録曲: にせんねんもんだい／富士の山／想像する ねじ／マーチング／wowwow／- -／jr.／omp／ギャ／bonus
Neji/Tori（2008年）
日本未発売。初期2作をまとめた海外向けアルバム。
収録曲: Pop Group／This Heat／2534／Sonic Youth／Ikkyokume (Neji Version)／Kyuukohan／Kyaaaaaaa／Ikkyokume／Iyashi
ディスティネーション トーキョウ（2008年）
収録曲: じね るす像想／ディスコ／みらーぼーる／ミラーボール／デスティネイション トーキョー
FAN（2009年）
収録曲: FAN
goA -FAN at Brudenell Social Club; Leeds, UK（2009年）
UKツアー時のライブ音源。
NISENNENMONDAI LIVE!!!（2011年）
収録曲: disc1: appointment／fan／mirrorball／ikkyokume／destination tokyo, disc2: ijenurusuozuos／44
N（2013年）
収録曲: A／B-1／B-2
Nisennenmondai - EP（2013年）
収録曲: B-1(You Ishihara mix)／appointment(You Isjihara mix)
Nisennenmondai - Live at Clouds Hill（2015年）
収録曲: A／Mirror Ball'13／B-1／B-2
N'（2015年）
収録曲: A'／B-1'／B-2'／B-4／A'(Shackleton remix)／B-1'(Shackleton remix)

彼女たちは、結成以来一貫して独自の音楽スタイルを追求し続け、国内外の音楽シーンにおいて唯一無二の存在感を放っている。その革新的なサウンドは、今なお多くのリスナーやミュージシャンに影響を与え続けている。

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