ぬりかべ (ゲゲゲの鬼太郎)

ぬりかべ

ぬりかべは、水木しげるの漫画『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪の一人です。塗壁、ぬり壁とも表記されます。

概要

相手の前に立ちはだかり、通行を妨害する妖怪です。大きな長方形の土壁に目と手足がついた姿をしています。年齢は不詳ですが、中年男性に相当すると考えられています。

通常時は身長約3メートル、体重約1トンの頑丈さを活かして仲間を守る壁となります。体の大きさをある程度自由に伸縮でき、数十メートル近くまで巨大化することもあります。体重も大きさに比例して増減します。溶岩の中でも平然と行動できるほどの耐久性を持ちますが、アニメでは湾曲したりねじれたりする柔軟性も見せています。

戦う時は敵に倒れかかって巨体で押しつぶしたり、敵を捕らえて体内に塗り込んだりするなどの攻撃手段を持ちます。体の構造は不明な点が多いですが、アニメでは体内に竹の格子のような骨組みが見える描写があります。また、吸血鬼に襲われて干からびる描写があることから、通常の生物と同様の血液あるいはそれに相当する液体が体内に流れていると考えられます。

食事はごく普通のもので、おにぎりなどを食べます。体格相応に大食であり、ねずみ男に「飯ばかり余計に食う」と揶揄されたり、1日パン1個しか食べられない状況で弱音を吐いたりしています。好物はヤマブドウで、酒も好みます。

原作では貸本『鬼太郎夜話・地獄の散歩道』で初登場し、アニメでは第1作の「妖怪大戦争（前編）」で初登場しました。西洋妖怪との戦いで吸血鬼に血を吸い尽くされて戦死しますが、その後復活し、準レギュラーとして活躍し、やがて正式なレギュラーとなります。

言葉も話しますが、他の仲間に比べて描写が少ない傾向があります。声のトーンが低く、主な口癖は「ぬりかべ～」「ぬり、ぬり」「ぬぅ～」などです。性格は基本的にのんびりとして温厚で人柄が良いとされています。仲間思いで、仲間を傷つけたりひどい目に遭わせた相手には激怒することもあります。惚れっぽく、女性の優しさに弱い純情な一面もあります。

劇場版『妖怪ウォッチ』には鬼太郎ファミリーで唯一未登場です。

家族

アニメ第5作のみ妻子が登場し、「ぬりかべ一家」と呼ばれます。

ぬりかべ女房：ぬりかべと同族の妻。体色はピンクで、夫よりやや小さく下膨れ気味の体型。夫からは「母ちゃん」と呼ばれています。夫と比べると饒舌で、帽子やエプロンなどを着用します。力は夫に引けを取らず、夫婦で敵を撃退したことも何度かあります。
子ぬりかべ：ぬりかべ夫婦の間に生まれた12体の子供達。体色は水色で、鬼太郎や猫娘の膝くらいの身長。「ぬ〜」としか喋りません。見た目には区別がつきませんが、男子と女子がいて、成長すると両親のように色分けされるとのことです。小柄ですが、一族ゆえの力の強さを持っています。

妖術・技

基本的に頑丈な巨体を生かした防御戦術を使用します。鈍重に見えますが、移動能力やジャンプ力など瞬発力もかなりのものです。妖怪漆喰や水鉄砲など、攻撃手段も複数持っています。

格闘：巨体に似合った怪力の持ち主で、頑丈な体と相まって繰り出す技の威力はかなりのものです。
押し潰し／倒れ込み：最も多用する必殺技。敵に倒れ込んで巨体と超重量を活かして押し潰します。
ぬりかべアタック：ぬりかべ一家の合体技。ぬりかべ女房の上に子ぬりかべ全員が段を組み、それを一番下からぬりかべが支えて同化した後、ジャンプして倒れ込み、一気に全体重をかけて敵を押し潰します。
ジャンプ：足腰を利用して高くジャンプすることができます。
お尻アタック：ぬりかべ女房が得意とする横跳びからのヒップアタック。
ぬりかべパンチ・張り手・キック：ぬりかべの強靭な腕や足の力を利用した攻撃。
妖怪漆喰：体を構成する漆喰を泥状にして、敵を塗り込み固めることができます。
塗り込む：敵を捕らえて体内に塗り込みます。
ぬりかべ封じ：体から漆喰を削り取って敵に直接塗り付けたり、投げつけて固めます。
再生能力：大穴を開けられるほどの重傷を負わされても、縫合したり漆喰で埋めたりして修復できます。
液体の貯蔵と噴出：体内に水や油を蓄え、必要に応じて噴出することができます。
水鉄砲：口からテッポウウオのように水を吹きます。
水霧：体から水を霧状に噴出して視界を遮ります。
その他：防壁役、反射、巨大化・縮小化 / 伸縮、移動能力、擬態・同化、ジャンプ台、マグマ誘導、戸板返しの術、鼻糞、ぬりかべ反射鏡など、様々な能力を持っています。

ぬりかべは、鬼太郎ファミリーの中でも個性的なキャラクターであり、その活躍は多くのファンを魅了しています。

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