ねえ!気がついてよ

ねえ!気がついてよ

「ねえ!気がついてよ」は、日本のアイドル歌手、桜田淳子（さくらだ じゅんこ）が1976年8月に発表した通算16枚目のシングルレコードです。

本楽曲は、日本を代表する作詞家の一人である阿久悠（あく ゆう）によって歌詞が書かれ、作曲およびA面曲の編曲は大野克夫（おおの かつお）が担当しました。阿久悠は、歌謡曲、演歌、アニメソングなど幅広いジャンルで数多くのヒット曲を生み出し、日本のポピュラー音楽史において極めて重要な人物です。大野克夫は、ロックバンド「ザ・テンプターズ」のメンバーとして活動した後、作曲家・編曲家として転身し、歌謡曲からテレビドラマ、アニメのサウンドトラックまで多岐にわたる作品を提供しています。特に「太陽にほえろ!」「名探偵コナン」といった人気番組の音楽は広く知られています。

シングルレコードのB面には、「かかとの折れた靴をさげ」が収録されています。こちらも作詞は阿久悠、作曲は大野克夫というゴールデンコンビによる作品ですが、編曲は高田弘（たかだ ひろし）が担当しています。高田弘もまた、1970年代から1980年代にかけて多くのアイドルや歌手の楽曲を手がけた著名なアレンジャーであり、その洗練されたアレンジは当時の歌謡曲サウンドを特徴づけるものでした。

収録曲構成

このシングルは以下の2曲で構成されています。

ねえ!気がついてよ
作詞：阿久悠
作曲：大野克夫
編曲：大野克夫
演奏時間：3分25秒

かかとの折れた靴をさげ
作詞：阿久悠
作曲：大野克夫
編曲：高田弘
演奏時間：3分5秒

他アーティストによるバージョン

「ねえ!気がついてよ」は、桜田淳子のオリジナルバージョンだけでなく、他のアーティストにもカバーされています。特筆すべきは、本シングルがリリースされたのと同じ1976年の12月に、日本のファンクバンド「アパッチ&マイナーチューニングバンド」が発表したアルバム『ソウルこれっきりですか』に収録されたバージョンです。

彼らのバージョンは、当時の世界的な音楽トレンドであったディスコサウンドを取り入れ、原曲の雰囲気とは大きく異なるアレンジが施されています。このアルバムでは、複数の楽曲をメドレー形式で繋いでおり、「ねえ!気がついてよ」もそのメドレーの一部として収録されています。これは、既存の楽曲をダンスフロア向けにリミックス、カバーする試みの一例であり、当時の日本の音楽シーンにおける多様性を示すエピソードと言えるでしょう。原曲の持つ歌謡曲らしさとは異なる、リズムを強調したダンスチューンとして再構築されています。

関連作品・項目

本楽曲は、後年にリリースされた桜田淳子のベストアルバムにも多数収録されており、特に2002年に発売された『GOLDEN☆BEST 桜田淳子』には本楽曲も含まれています。これは、本楽曲が桜田淳子の代表曲の一つとして、あるいは彼女のキャリアを振り返る上で欠かせない楽曲として位置づけられていることを示しています。

また、本楽曲が発表された1976年は、日本の音楽シーンにおいてフォーク、ロック、アイドル歌謡、演歌、ニューミュージックなど、様々なジャンルが隆盛を極めた年であり、「1976年の音楽」という時代の文脈の中で、このシングルも語られることがあります。

「ねえ!気がついてよ」は、阿久悠と大野克夫という昭和歌謡界を代表する作家陣が手がけた桜田淳子のシングルとして、その音楽性、時代背景、そして他のアーティストによるカバーといった様々な側面から興味深い楽曲です。B面曲も同じ作家陣によるものであり、当時のシングル盤の楽しみ方を今に伝えています。

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