のらくろ

のらくろ

『のらくろ』は、田河水泡による日本の[[漫画]]作品で、野良犬の黒吉が主人公です。1931年から講談社の『少年倶楽部』で連載が始まりましたが、そのきっかけは、作家の佐藤紅緑が当時の編集長に漫画を載せることを提案したことにあります。これに応じて田河は、男の子に人気のあるテーマである「犬」と「軍隊」を取り入れた物語を考案しました。主人公の黒吉のデザインは、アメリカのアニメ『フィリックス・ザ・キャット』のキャラクターに影響を受けています。

連載の背景

当初は、黒吉が志願兵として2年間軍務を遂行し、除隊するという構想でした。しかし、作品の人気が高まるにつれて、黒吉は伍長に昇進し、物語は続くことになります。「のらくろ」は、漫画の黎明期において特に人気を得て、後の漫画家たちに影響を与えました。戦前には短編アニメも制作され、さまざまな商品も展開されましたが、著作権が整備されていなかったため、多くの無許諾商品が流通していました。

戦時中の影響

しかし、1941年になると太平洋戦争が始まり、内務省からの指導により連載は終了を迎えました。その後、1958年に『のらくろ自叙伝』が戦記月刊雑誌「丸」で連載され、これを機に黒吉の物語は続編としてスタートします。この作品では、大人向けに語り直されています。

追加として、戦後の連載が続き、昭和36年から38年には『のらくろの息子』が発表された後、昭和42年から55年にかけて続編が連載され、50周年で完結を迎えました。これらの続編は、大人の読者層も意識した作品になっています。

ストーリーの特徴

物語の内容は、戦前が軍隊を舞台に、黒吉が失敗を重ねながらも成長し、敵軍に勝利を収める姿が描かれています。一方、戦後版では主に新兵教育の場面が描かれ、和平締結後、再び野良へ戻った黒吉が様々な職業に挑戦する様子が描かれています。これまでの成長から、最終的に夢を叶え、結婚するシーンで物語は締めくくられます。

登場キャラクター

主要キャラクターには、主人公の黒吉の他に、猛犬聯隊の指導者であるブルや、部下のデカなどが存在します。特にブルは黒吉の父親のような存在として描かれ、黒吉の成長を支えます。物語には敵役として山猿軍や豚軍なども登場し、戦闘を繰り広げる中で黒吉が成長する姿が描かれています。

メディア展開

また、アニメ化もされ、1970年に放送された『のらくろ』では大山のぶ代が声優を務め、子供たちに親しまれました。後に『のらくろクン』として続編が制作され、キャラクターのユーモアや冒険が強調されています。現在でも関連商品が多く展開されており、キャラクターの魅力は色あせることがありません。

まとめ

『のらくろ』は、ただの漫画に留まらず、時代を超えて多くの人々に愛され続ける作品です。そのストーリーやキャラクターは、今も多くの愛読者に影響を与え、さらなる創作のインスピレーションとなっています。

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