はげ山

はげ山（はげやま）

はげ山とは、草木が全く生えていない山を指し、漢字では「禿山」または「禿げ山」と表記されます。また、「兀山（こつざん）」とも呼ばれることがあります。このような山が形成されるのは、人為的な要因や自然現象が影響している場合があります。

概要

はげ山は、森林伐採や野焼き、放火など、さまざまな人為的な行動によって植生が失われ、その結果樹木が枯れてしまうことがあります。また、自然災害や厳しい気象条件、乾燥した気候、寒冷な環境においても生育が難しく、樹木が育たない地域が作られます。日本では通常、豊かな森林が自然の姿ですが、失われた地域も多々存在します。

樹木がない山を「はげ山」と呼ぶのは、毛がない頭髪に例えられており、この点において興味深い言葉の遊びがあります。たとえば、花札ではススキ草原を「坊主」と表現することもあり、これはなだらかな山の形が禿げた頭を連想させるからです。

著名な研究者の千葉徳爾は、著作『はげ山の研究』においてはげ山を人為的に荒廃した林地の代表とし、その見解を示しています。彼は荒廃の要因を人為的なものと自然的なものに分類し、それぞれの特性を論じています。

防災

はげ山は、植物群落が土壌を保持する力を持たないため、多くの弊害を生じさせます。特に人口が集中する場所では、近くの山がはげ山になると、豪雨時や台風による土砂災害が発生しやすくなります。このため、洪水や河川の埋没といった影響が地域経済に深刻なダメージを与えることがあります。対策として、治山事業や植林活動が行われています。

はげ山の原因

はげ山となる理由には自然的なものと人為的なものの2種類があります。例えば、自然的な原因としては景観変化や大規模な山火事、火山噴火などが挙げられます。一方で、土質によって植物が育たない地域も存在し、こうした場所では樹木が育成しにくい傾向があります。

人為的な要因には、過度な森林伐採や野焼き、放牧などがあり、これらが組み合わさることではげ山が形成されます。また、観光地においても多くの人の踏みによって植生が侵害されることがあります。

日本におけるはげ山

日本では、かつて生活のために必要な薪や木炭を得るため、各地で森林が乱伐され、はげ山が生じました。19世紀の文献には、当時の森林面積の70％が「赭山禿峰」とされ、はげ山が多く存在したことが分かります。

戦後の調査によって、国有林や民有林の多くがはげ山であったことが確認され、地域ごとに独自の事情があったことも明らかになっています。たとえば、足尾銅山地域では銅山開発の影響を受け、森林の乱伐が行われた結果、はげ山化が進んだことが知られています。

他の地域のはげ山

他にも、朝鮮半島や韓国において森林伐採によって多くのはげ山がつくられており、特に北朝鮮では国連が指摘するように森林の40%が失われたとされています。これらの地域でもはげ山の復旧が課題となっています。

まとめ

はげ山の問題は、環境や経済に深刻な影響を与えるため、対策が求められます。植生が失われた山を再生し、森林を保護することが、持続可能な未来を築く上で重要といえるでしょう。

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