はこだでぃ (雑誌)

はこだでぃ（HAKODADI）：函館の文化と歴史を紡ぐ雑誌

1991年から1999年の間に発行された『はこだでぃ』は、函館市に本拠を置く幻洋社が手掛けた雑誌です。この雑誌は、函館市の美しい風景や豊かな歴史、そして文化を深く愛する読者に向けて発行されました。創刊は1991年6月1日で、当初は月刊誌としてスタートしましたが、後に隔月刊に変更されました。それでもその魅力は変わらず、1999年の49号まで多くのファンに支持され続けました。

『はこだでぃ』の特徴は、函館の歴史や文化に関する特集記事が数多く掲載されている点です。特に古写真を多数使用しながら、懐かしの函館の姿を再現し、現代の読者にその美しさや価値を伝えることを目的としていました。このような取り組みは、地域の歴史を学ぶだけでなく、函館に対する愛情や誇りを育むための大切な役割を果たしていたのです。

雑誌の創刊号には、様々な魅力的な特集が組まれていました。例えば「函館いまむかし」という特集では、函館の過去と現在の様子を対比しながら、街の変遷を探る記事が掲載されていました。この特集を通じて読者は、函館がどのように発展し、また変わってきたのかを知ることができるのです。

また、地域の商業施設や観光名所を紹介する「はこだでぃ」協賛店のコーナーもありました。ここでは地元の飲食店や店舗が取り上げられ、函館での生活や楽しみ方を提案していました。さらに、時刻表を掲載した「たいむてーぶる」や、地域の歴史を振り返る「聞き書きタウン歴」、さらには文学に焦点を当てた「函館・文学の散歩道」に至るまで、内容は多岐にわたりました。

特集記事の他にも、街の名物や美味しい料理を紹介する「街の味名人」や、イベント情報、映画や書籍の紹介も行われていました。これにより、函館の文化的な側面だけでなく、地域の活気や人々の営みをも伝える一助となっていました。

読者との交流を深めるための「読者通信」や、各号の総括をする「編集後記」なども設けられており、読者参加型の誌面作りがなされていた点も魅力の一つです。こうした工夫により、地域住民や函館に愛着を持つ人々にとって、身近で親しみやすい内容となるよう努められていました。

函館の文化や歴史を大切にし、未来へとつなぐ「はこだでぃ」は、地域の誇りを再認識させてくれる存在でした。雑誌の発行により、多くの人々が函館に心を寄せ、魅力を再発見していったのです。1999年に49号をもってその幕を閉じるまで、たくさんの読者たちに愛され続け、地域社会において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

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