ははじま丸 (3代)

ははじま丸の紹介

ははじま丸（ははじままる）は、伊豆諸島開発が運航する新しい貨客船です。2016年に就航したこの船は、渡辺造船所で建造され、既存の二代目ははじま丸の後継としてその役割を果たしています。ははじま丸は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構との共有船であり、設計と機能性の向上を図っています。

航路と運行

ははじま丸は、父島と母島を結ぶ航路を運営しています。この航路は二見港（父島）から沖港（母島）までの59 kmをカバーし、所要時間は約2時間です。特に、おがさわら丸の父島入出港日には接続するダイヤで運航され、運休日もおがさわら丸の運航スケジュールに合わせて設定されています。

設計の特徴

新しいははじま丸は、前の船と比べて大型化かつ高速化されており、世界遺産に登録された後の旅客数の増加に対応しています。これに伴い、乗客定員が増加し、バリアフリーのための設備が充実しました。具体的には、ハンディキャップルーム、授乳室、多目的室などの新たな設備も設けられています。客席は1層に集約されており、スロープ式タラップが導入されたことで、乗船がよりスムーズになりました。

また、航路特性を活かし、クジラや海鳥観察のためのサンデッキや全周を眺望できる回廊が設けられているため、ホエールウォッチングやバードウォッチングを楽しむことも可能です。

機関構成は、1基1軸から2基2軸に変更され、これにより航海速力の向上が図られたほか、操船性の向上も実現されました。その結果、航海時間は10分短縮され、全体で2時間となりました。

装置と機能

前の二代目ははじま丸ではトムソン式デリックを使用していた揚貨装置は、本船では油圧式クレーンに変更され、効率的な貨物の取り扱いが可能になりました。

船内施設

ははじま丸の内部は、旅客が快適に過ごせる空間となるよう配慮されています。旅行者一人ひとりに対するスペースは2.4倍に広がり、各座席には電源コンセント、冷蔵庫、荷物置きスペースが整備されています。ただし、船内にはレストランや売店は設けられておらず、飲料の自動販売機のみが利用可能です。

船室の情報

ははじま丸には、宿泊が可能な船室がいくつか用意されています。具体的には、特別室A（最大6名収容）、特別室B（最大4名収容）、および二等室があります。これにより、多様なニーズに対応できるようになっています。

最後に

ははじま丸は、その設計と運行において、観光地としての伊豆諸島の魅力を一層高めることを目指しています。今後も地域の発展に貢献し続けることでしょう。

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