はるかぜどりに、とまりぎを。

はるかぜどりに、とまりぎを。：近未来の恋愛模様と複雑な時間軸

概要

2007年10月26日、SkyFishより発売された18禁恋愛アドベンチャーゲーム『はるかぜどりに、とまりぎを。』は、略称「はるとま」や「はるどり」で親しまれています。SkyFishの第3弾作品として、初回限定版にはサウンドトラックCDとカレンダーが同梱されました。

本作は、2010年に続編『はるかぜどりに、とまりぎを。2nd Story 〜月の扉と海の欠片〜』が発売されたほか、2009年には桃谷春音ルートを基にしたノベルゲーム『はるかぜどりに、とまりぎを。〜二人の想い〜』が全四話で配信され、後に完全版もリリースされています。

ゲームシステム

本作の最大の特徴は、2024年現在、10年前（2014年）、1年前（2023年）という3つの時間軸を自由に選択できる点です。プレイヤーはカレンダー画面でイベントを選択し、過去と現在の出来事が複雑に絡み合い、未来へと影響を与えていきます。選択したイベントはカレンダーに記録され、その積み重ねが物語を形作ります。それぞれの選択が、主人公の運命と関係するヒロイン達との関係性に大きく影響を与える、深く考えさせられるシステムです。

ストーリー

舞台は、地球温暖化によって沿岸部が水没し、冬に桜が咲く2024年の東京。主人公の沖奈真語は、1年前に教師と生徒という立場ゆえに破局を迎えた元恋人・香夜冬子との辛い過去を引きずりながら、従妹である桃谷春音の通う学校に転校してきます。

平凡な日々を送る真語でしたが、春音からの突然の告白により、彼の静止した時間が再び動き始めます。過去、現在、そして未来が複雑に絡み合い、真語は複数の女性との関係に悩み苦しみ、葛藤しながらも、自身の未来を切り開こうとします。

登場人物

沖奈真語:感情表現が苦手な主人公。両親の離婚後、母親の歯科医院を継ぐ約束をしています。
桃谷春音:真語の従妹で、彼を「お兄ぃ」と呼び慕う、兄妹のような関係にあります。10年前の愛犬の死をきっかけに真語に心を開きました。
香夜冬子:真語の元恋人。大資産家のお嬢様で、教師と生徒の関係が原因で別れました。
金田秋穂:春音の親友で姉御肌の性格。幼馴染の亮太と交際中ですが、喧嘩も多いです。
浦島夏乃芽:真語の後輩で、いじめられっ子。ある日突然真語に告白します。
辰宮亮太:真語の親友で、秋穂の恋人。お笑い好きな性格です。
沖奈亘:真語の父親。お好み焼き屋を経営しています。
川越小枝子:真語の母親。歯科医院を経営しています。

音楽

オープニングテーマ「seven colors」とエンディングテーマ「なみのうた」は、みとせのりこが歌唱し、どちらも公式サイトからショートバージョンが無料でダウンロードできます。フルバージョンは、様々なコンピレーションアルバムに収録されています。

世界観

2024年の世界は、地球温暖化とサトリ病の蔓延により、人口が激減し、多くの土地が水没しています。東京も沿岸部が海に沈み、風景は大きく変わっています。しかし、温暖化対策の効果もあり、状況は徐々に改善に向かいつつあります。

その他

本作は、Webラジオ『はるとま。と-』も展開され、DVD-ROMとして発売されました。また、小説やフィギュアなどの関連商品も多数発売されています。

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