ひぐらしのなく頃に 祟殺し編

ひぐらしのなく頃に 祟殺し編

『ひぐらしのなく頃に 祟殺し編』は、同人サークル07th Expansionが制作した人気同人ゲームシリーズの第3話にあたる作品です。サブタイトルは「～最短のシナリオ～」。

概要

本作は、主人公が前原圭一である点や、時間軸の異なる物語が展開される点は前2作と同様です。しかし、シナリオの分量は前作よりも多く、事件への展開が早いのが特徴です。今までは被害者の立場であった圭一が、本作では加害者となる点が大きな変化です。

物語は、本編の3年前に事故死したダム計画推進派夫婦の遺児である北条沙都子を中心に展開します。叔父による児童虐待という重いテーマを扱いながらも、終盤にはデウス・エクス・マキナ的な展開が用意されています。クリア後には、恒例の「お疲れ様会」が追加され、登場人物たちが客観的な推理を披露します。

PS2版「祭」やDS版「絆・第一巻」にも収録されています。

でびでびでびるず

Windows版でクリア後に追加されるミニゲーム「でびでびでびるず」（略称：DDD）も楽しめます。エンジェルモートを舞台に、デビロット率いるジャックフロスト軍団をブロック崩し形式で撃退するゲームです。このミニゲームは二次創作であるため、携帯アプリ版への移植はされていません。

ストーリー

1983年（昭和58年）を舞台に、圭一は部活メンバーの北条沙都子が虐待を受けていることを知ります。沙都子の両親は3年前に事故死し、村人たちは「オヤシロさまの祟り」だと噂していました。さらに、沙都子の拠り所であった兄・悟史は1年前に失踪しています。

叔父の理不尽な仕打ちに耐える沙都子を目の当たりにした圭一は、彼女を救済しようと計画を立てます。しかし、その決断は最悪の展開へと物語を導いてしまうのです。沙都子を救いたいという思いが、思わぬ事態を引き起こしてしまう、緊迫感のあるストーリーが展開されます。

登場人物

前原圭一
北条沙都子
竜宮レナ
園崎魅音
古手梨花
園崎詩音

演出

本作の最大の特徴は、圭一の視点が被害者から加害者へと転換することです。そのために、キャラクターの感情表現が変化します。特に沙都子の「目」は、物語の展開に合わせて変化し、悲壮感を際立たせています。叔父殺害後の圭一が感じる違和感や疎外感は、過去のシリーズで圭一が体験したことを知っているからこそ、より深く感じられます。

物語最後の「取材テープ」で圭一が発言する「俺如キニ祟リ殺サレルナ？」は、祟殺し編を象徴する台詞として知られています。

この事件は、「北条鉄平の帰還」が引き金となり始まります。異なる世界でも、鉄平が雛見沢に戻ってくることで同様の事件が起こるとされています。そして、別の世界では、圭一の代わりに詩音やレナが鉄平殺害を実行することも…

漫画

スクウェア・エニックス刊『月刊Gファンタジー』で2005年6月号から2006年6月号まで連載されました。作画は鈴木次郎が担当。

ISBN 4-7575-1592-8（2006年1月22日 初版発行）
ISBN 4-7575-1712-2（2006年7月22日 初版発行）

アニメ

第1期「ひぐらしのなく頃に」の第9話から第13話で、祟殺し編が描かれています。

第9話 祟殺し編 其の壱 兄
第10話 祟殺し編 其の弐 キズナ
第11話 祟殺し編 其の参 境界
第12話 祟殺し編 其の四 失しモノ
第13話 祟殺し編 其の伍 謝罪

ドラマCD

HOBiRECORDSからCD4枚組で発売。アニメ版と同じキャストが出演しています。

小説

講談社BOX版と星海社文庫版の2種類が存在します。

講談社BOX版
ひぐらしのなく頃に 第三話 〜祟殺し編〜（上） ISBN 978-4-06-283653-1
ひぐらしのなく頃に 第三話 〜祟殺し編〜（下） ISBN 978-4-06-283655-5
星海社文庫版
ひぐらしのなく頃に 第三話 〜祟殺し編〜（上） ISBN 978-4-06-138911-3
* ひぐらしのなく頃に 第三話 〜祟殺し編〜（下） ISBN 978-4-06-138913-7

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