ひとり股旅スペシャル@広島市民球場

ひとり股旅スペシャル@広島市民球場

2004年10月30日、広島市民球場にて、人気ミュージシャンの奥田民生による特別なライブが行われました。このコンサートは「ひとり股旅スペシャル」として知られ、広島出身の奥田が母国の地で開催した初のコンサートという点でも特別な意味を持ちます。彼は生まれも育ちも広島であり、広島東洋カープの熱烈なファンでもあるため、この地でのライブ開催は彼の長年の夢でした。

セッティングの過程では、広島市民球場の特性に合わせて音量制限や時間規制などの条件がありました。これに対し奥田は、1998年のソロギター弾き語りツアー「ひとり股旅」のスタイルを選び、さまざまな調整を経て開催が決定しました。事前のテストも行い、すべての条件をクリアしつつ、外野席の開放も急遽決定。すると予約は殺到し、想定外に多くの観客を迎えることになったのです。

本公演の準備が進む中、前日のリハーサルでは降水確率が90%を超えていましたが、奇跡的にも当日は快晴を記録。結果、3万2000人以上の観客が集まり、ライブは大成功へと導かれました。この様子は完全ノーカットで収録され、翌年には「ひとり股旅スペシャル@広島市民球場」としてDVDが発売されました。

セットリスト

ライブは二部構成で行われ、数多くの楽曲が披露されました。セットリストの一部には、奥田自らの楽曲だけでなく、他アーティストのカバーも含まれていました。例えば、フジファブリックやASIAN KUNG-FU GENERATION、井上陽水などの名曲も演奏された際には、原曲のアーティストたちも観客として参加し、交流を持ったという逸話があり、アーティスト同士の絆も感じられる一夜でした。

特に印象的だったのは、ライブの中で約10分にも及ぶメドレーが演奏されたことです。演奏中にはギターの弦が切れるというトラブルもありましたが、止めることなく演奏を続け、アクシデントを乗り越えました。このようなハプニングも、大きな盛り上がりを見せる要因となりました。

DVD発売

「ひとり股旅スペシャル」のDVDは、2005年2月23日に発売され、初回生産限定仕様として特製デジパック&スリーブケースが用意されました。収録内容は183分のライブ本編と49分の特典映像で構成され、音質にもこだわった5.1chサラウンドでの提供がなされました。このDVDでは、奥田のパフォーマンスはもちろん、ライブの舞台裏や準備の様子を追ったドキュメンタリーも収録され、ファンにとっての貴重な一品となっています。

続編の活躍

このライブから11年後、奥田は新たにMAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島にて「ひとり股旅スペシャル@マツダスタジアム」を開催しました。このイベントもまた、スタジアムにおける初のコンサートとして位置づけられ、奥田の活動が続くことを象徴しています。

このように、「ひとり股旅スペシャル」は、音楽、友情、愛情、そして情熱が交差する歴史的一夜であり、奥田民生の音楽人生における重要なポイントとなりました。

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