ひめルビー

ひめルビー：愛媛発、健康と美味しさを兼ね備えた希少柑橘

愛媛県松山市で開発された「ひめルビー」は、ブラッドオレンジの一種である「モロ」と「太田ポンカン」を掛け合わせた、大変珍しい柑橘です。正式な品種登録名は「エクリーク65」となっています。その誕生は1998年にさかのぼり、「モロ」に「太田ポンカン」の珠心胚実生を接ぎ木した際に発生した周縁キメラから育成が始まりました。そして、2008年に品種登録を果たし、現在では愛媛を代表する柑橘として高い評価を得ています。

特徴：見た目も味も魅力的な柑橘

ひめルビーの果実は扁球形で、やや重みがあります。果皮の色は濃橙色から橙赤色と、見た目にも鮮やかです。最大の特長は、赤紫色の美しい果肉。果汁の量は中程度ですが、皮はむきやすく、じょうのう膜も薄いので、種もほとんどなく、ポンカンと同じように手軽に食べることができます。愛媛県松山市では12月下旬に成熟を迎えます。

健康機能性：アントシアニンとβ-クリプトキサンチンの宝庫

ひめルビーは、健康に嬉しい機能性成分を豊富に含んでいることも大きな魅力です。特に注目すべきは、アントシアニンとβ-クリプトキサンチン。アントシアニンは、これまでブラッドオレンジにしか含まれていないと考えられていた成分ですが、ひめルビーはこれを豊富に含む、画期的な柑橘と言えるでしょう。これにより、ブラッドオレンジ特有の健康効果と、ポンカンの食べやすさを両立した、まさに理想的な柑橘が誕生しました。

その他のキメラ柑橘と松山市の取り組み

ひめルビーを育成した研究者グループは、他にも「エクリーク15」、「エクリーク34」、「エクリーク71」、「エクリーク55」、「エクリーク52」、「エクリーク118」といったキメラ柑橘を品種登録しています。これらの柑橘も、ひめルビー同様、独自の風味や特徴を持つ、魅力的な品種です。

ひめルビーの開発は、松山市による地域活性化の取り組みと深く関わっています。2012年当時、松山市は構造改革特区・地域再生制度を活用し、地域再生計画として「健康志向高品質かんきつ産地形成による再生計画」を策定。この計画の中で、ひめルビーは重要な役割を担い、地域経済の活性化に貢献しています。

まとめ：愛媛の未来を担う柑橘

ひめルビーは、その希少性、健康への効果、そして食べやすさから、多くの消費者に支持されています。愛媛の豊かな自然と、人々の努力によって生み出されたこの柑橘は、単なる果物としてだけでなく、地域活性化のシンボル、そして日本の柑橘界の未来を担う存在として、今後ますます注目を集めることでしょう。

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