びわ湖パラダイス

びわ湖パラダイス：忘れ去られた湖畔の楽園

びわ湖パラダイスは、かつて滋賀県大津市に位置し、琵琶湖温泉（現在の旅亭 紅葉）に併設されていた温泉宿泊施設と遊園地が融合したレジャー施設でした。元々は「紅葉パラダイス」として知られていました。

歴史

1966年に「紅葉パラダイス」として開業し、その後「びわ湖温泉 紅葉パラダイス」と名称を変更。1991年には「びわ湖パラダイス」としてリニューアルオープンしました。開業当初は、遊ぶ、食べる、温泉に入る、そしてショーを観るという多様な楽しみ方ができる施設として人気を博しました。

特徴

温泉施設は多種多様な温泉を一度に楽しめる点が好評でした。特に、ワニがいたことで有名な「ジャングル風呂」は広大な空間が特徴でしたが、リニューアルの際に一般的な風呂に改められました。遊園地には、琵琶湖に一部レールが露出したジェットコースターがあり、スリル満点のアトラクションとして人気を集めました。

1978年には、6億5000万円を投じてドイツ製の蒸気機関車とワゴンリー社製の食堂車、個室寝台車8両を連結した「ホテル・オリエント・エクスプレス」を開業し、大きな話題となりました。ただし、この機関車が実際にオリエント急行を牽引したことはありませんでした。

紅葉パラダイス時代のCMは、「ジャングル風呂」や「ホテル・オリエント・エクスプレス」を紹介した後、「しかも、は～だか天国！紅葉パラダイス！」というキャッチフレーズとともに、数人の大人がポーズを取るというユニークなもので、関西・東海地方を中心に親しまれていました。関西地方への修学旅行の定番宿としても利用されていました。

閉鎖とその後

しかし、時代とともに施設の特色が薄れていき、1998年12月6日に温泉施設を除く部分が閉鎖されました。交通網の発達と周辺地域の発展により、徐々に客足が遠のき、最終的には温泉施設も閉鎖されることとなりました。

運営会社であった丸玉観光株式会社は、ホテル紅葉のリニューアルや紅葉パラダイスの経営不振などが原因で2006年3月1日に倒産。旅亭 紅葉は、倒産に先立ってジャパンレジャーサービスグループへ売却されました。

創業者である木下彌三郎が収集したギリシャ・ローマ彫刻、日本画、洋画などを展示していた木下美術館は、倒産後も存続していましたが、2008年に比叡平へ移転しました。

跡地は東急不動産に売却され、リゾートマンション「ブランズ西大津レイクフロント」が建設されました。さらに、パチンコ店やレストランなどの施設も建設されています。2012年10月には、隣接する「びわ湖温泉紅葉」も老朽化を理由に閉館しました。

廃業後、「ホテル・オリエント・エクスプレス」の客車のうち2両は解体されずに、奈良県宇陀市周辺に放置されています。

まとめ

びわ湖パラダイスは、かつて琵琶湖畔に輝いたレジャー施設でしたが、時代の変化とともにその姿を消しました。しかし、そのユニークな魅力は、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

関連施設

* びわ湖温泉（ホテル紅葉、旅亭 紅葉、紅葉パラダイス）

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