ふられた気分

研ナオコの「ふられた気分」は、1982年12月にリリースされた彼女の30枚目のシングルです。この楽曲は、単なるシングルリリース以上の意味を持ち、研ナオコと中島みゆきの才能が融合した作品として、日本の音楽史にその名を刻んでいます。

この曲は、1977年に発表された研ナオコの5枚目のアルバム『かもめのように』に収録されていた「ふられた気分で」をリメイクしたものです。中島みゆきが作詞作曲を手掛けたこの楽曲は、発表当初からその独特の世界観と研ナオコの情感豊かな歌声によって、多くのファンを魅了しました。また、中島みゆきの詞集『愛が好きです』では、「ふられた気分」が原題として収録されており、彼女自身にとっても特別な作品であったことが伺えます。

編曲はクニ河内が担当し、原曲の持つ哀愁をさらに際立たせるような、ドラマティックなアレンジが施されています。研ナオコの歌声は、失恋の痛みを抱えながらも、どこか前向きな強さを持つ女性の心情を見事に表現しており、聴く者の心を揺さぶります。

B面には、中島みゆきが1978年にシングルとして発表した「おもいで河」のカバーが収録されています。この曲もまた、中島みゆきの作詞作曲によるもので、過ぎ去った愛への未練や郷愁を歌った、情感豊かなバラードです。研ナオコのカバーバージョンは、若草恵の編曲によって、オリジナルとは異なる新たな魅力が引き出されています。

「ふられた気分」とそのカップリング曲「おもいで河」は、1984年6月に発売された研ナオコのカバーアルバム『Again』にも収録されています。このアルバムは、彼女がこれまでに歌ってきた数々の名曲を新たなアレンジで蘇らせたもので、「ふられた気分」もその一つとして、再び注目を集めました。

このシングルは、1982年という時代を背景に、研ナオコの表現力と中島みゆきの楽曲が融合し、普遍的な失恋の感情を歌い上げた作品として、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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